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あなたが好き。でも付き合いたいとは思わない

「私はあなたが好きよ」

「それって、恋愛感情ってことでいいのかな?
俺もお前が好きだよ。両思いなら付き合おう」

私の心が固まるのがわかる。
いやだいやだと体の奥底が叫んでいる。
私のこの温かい感情に名前をつけないで。
ましてや、「性愛」という箱に片付けてしまわないで。
わたしは名もない「好き」という感情の中でたゆたっていたいのだ。
名前なんてつけてしまったら
名のある形の方向にしか進んでいけないではないか。
わたしはあなたのことが好き。
でもそれは「男」として好きなのではない。
あなただから好きなのだ。
この身から溢れる愛が女としてのものなら
私はこれからあなたとどう向き合っていいかわからない。

あなたに対する感情は、恋なのかもしれない。
でも、恋だからといって付き合いたいとは思わない。
付き合いたくないから俺のことが嫌いなのかとか
そんなレベルの話なのではないのだ。
「あなたが好き。あなたもわたしが好き」
それだけではダメなのか
わからない。

この「好き」が「性愛」なのか
それとも私があなたを利用したいだけの「面倒な女」なのか
わからないから、あなたとは愛し合いたくない。

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