人はワクワクを感じたとき、最大のパフォーマンスを発揮する
私の信念は「人はワクワクを感じたとき、最大のパフォーマンスを発揮する」です。
初めて、このことに気づいたのは、子育てをしていて、息子の様子をみていてです。
息子が幼稚園の時でした。
幼稚園では、折り紙が流行っていたのですが、息子は全く興味を示しませんでした。
お迎えに行くと、みんなが楽しそうに折り紙を折っているのに、息子は、ぐしゃぐしゃっと折り紙を丸めて投げて遊んだり、三角に1回折っただけで飽きてしまい別の遊びを始めてしまったり。。。。
幼児教育者であったバアバ(私の母)からも、「年長さんにもなって、折り紙のひとつも折れないなんて・・・鶴なんて難しいものじゃなくていいのよ。やっこさんでも、椅子でも。風船でも。一番簡単に3ステップで折れるチューリップでも・・・なんでもいいから、折れるようにしなくちゃ!」と言われて、この年齢になったら、みんな折れるのになぜ?!と、私は焦りました。
そうか!折り方を知らないからかな?と折り紙の本を購入して、一緒に折ってみたりしましたが、すぐ飽きてしまい、全然やってくれません。
楽しそうに親が折っている姿を見せればいいのかな?と、テンションアゲアゲで教育テレビの番組のようにやってみたりしたけど、私が必死に汗をかくだけで、まったく効果なし。笑。
ところがある日。びっくりすることが起こりました。
息子がひとりでYoutube動画にくぎ付けになっています。
しばらくすると、すごい勢いで棚から折り紙を取り出し、急に、折り出したのです!
「何!?」と私はびっくりしました。
動画をのぞき込むと、息子が大好きな鳥(インコ)の折り方の動画でした。
息子は鳥が大好きで、なかでもインコは、ペットショップでも足を止めて「かわいい~」と何分でも見ているほど好きだったのです。
「インコが折り紙で折れるなんて!」と、興奮しながら目をキラキラさせていました。
動画を一時停止したり巻き戻したり、巧みに動画再生の操作をしていることにも私は驚きました。
そして、とても丁寧に、しかしスピーディーに次々と折り紙を折っていくではないですか!
そうして、かわいいインコができあがったときには、やった!めっちゃかわいい!!と、満面の笑みをしていました。
その日から、彼は毎日毎日、折り紙でインコを折り続けました。
「次は柄付きの折り紙でやってみよう!」
「鉛筆で書く目の表情もアレンジしてみよう!」
「そうだ!大きさも変えてみよう!」
次々とアイディアも生まれます。
大小さまざまなインコをつくりました(写真)。
しまいには米粒のように小さなインコまで(写真)!匠の技!笑
さらに驚いたことに、自分が折ったインコを幼稚園に持っていったら、みんなに、かわいい!自分にも作ってほしい!と言われたそうです。
(少しだけ難易度高い折り方なので折り方を教えてほしい!というより作ってほしい!というオーダーが多かった様子)
何人にも言われた彼は、希望者が名前を書けるような注文者リストをつくり、注文を受け付ける工夫までしていました。
リストに書いてもらった順番に作り、納品していく仕組みです。
注文者の名前をみながら、「あの子は、きっとこういう大きさのこういう色が好きだろうから・・」と想像しながら、心を込めて折っていました。
注文者の顔や好みを思い浮かべながら商品作りするって、もう、すばらしい職人さんじゃないですか!笑
指輪にしたり、肩に乗せれるようにテープをつけたり、そんなアレンジもして、注文は日々増えていきました。
アイディアを考えている表情、作業に取り組む姿、本当に職人のようでした。
この出来事があり、私は、強く思ったのです。
「ワクワクを感じたとき、最大のパフォーマンスを発揮するんだ」
私が何年も焦って、汗かいてやらせようとしてもできなかったのに、ワクワクを感じたとたんに、熱中し、自身で調べ、習得する。。。
私が彼に折り紙を教えなくては!と、気をもんだ期間は2年くらいあったと思います。
それなのに、自分でワクワクを感じたら、数分で習得し、さらには1週間で注文者のオーダーにこたえられるような立派な折り紙インコ職人になっていました。
奮闘していた2年を思い出すと、ばからしくて、笑ってしまいます。
全く興味ないときに教え込もうとしても意味がない。
教え時ってあるんだなと思いました。まさに、子供がワクワクを感じた時がその時です。
もっとも、ワクワクを感じたら「教えること」さえも不要で、自分でどんどん習得していくので、「教え時」なんて言葉は使う必要もないのかもしれません。
このあと、私は、仕事で大人の人材育成に関わりながら、「ワクワクを感じたとき、最大のパフォーマンスを発揮する」について、人材育成の領域でエビデンスもあるということを知っていくのですが、そのお話はまた今度。