LOVING DEAD(短編小説)
「こちら温めますか」という問いにぼんやり「お願いします」と返し、しかし一向に動き出そうとしない店員に目をやって、そう言えばこの子も随分前からゾンビになってしまってたんだっけと気づく。可愛い子だったのに、今はよく口にしていた言葉を繰り返し、視点の合わない眼球をぐるぐるさせるだけだ。
仕方ないので、無駄に力強いその手から弁当をもぎ取り、金だけ払って外へ出る。日差しは眩しいが、雪がちらちら舞っている。そこここに転がったままの人の姿があり、俺はそれらをスケート選手のように避けて、滑