花の中の人魚姫
8月28日
私もまた、大切な舞台があった。
昨年友人のピアニスト、アマンディーヌの立ち上げた
Piano en fleurs 花のピアノというフェスティバルで
障害のある子供達も参加できる
紙芝居コンサートをして欲しいという
依頼を受けていたのだ。
https://pianoenfleurs.com/eriko-renaud-arima/
ASD自閉スペクトラム障害の子供達について
話していた時、
彼らはシャボン玉が大好きなの!と言う彼女の
ひとことから
ハッと思いついたことがあった。
シャボンといえば人魚姫。
いわさきちひろさんの美しい人魚姫の挿絵のついた
紙芝居を持っていたからだ。
昔から大好きだった人魚姫のお話、
アンデルセンについて調べていたら
彼は同性愛者でもあり、人魚姫のように実らない恋を していたんだとか。。人間になりたくて魚の尻尾と声を捨てた人魚姫、人と違っている、という意識から
生まれたのかもしれない‥興味深い!
ここに、轟千尋さんの
優しい音楽を加えたらどうだろう‥
千尋さんに連絡をしてみると、
いわさきちひろさん、好きです!という
嬉しいお返事を頂いた。
渋い声が似合いそうな役者の友人、
バンジャマンにも相談してみよう‥
こんなふうにいろいろな想いが重なって
音楽紙芝居「人魚姫」ができあがった。
会場は大都会マルセイユの中にある
マガローヌ公園。
ル・コルビュジェの建てた有名な集合住宅の
すぐ近くだ。
人魚姫の他に七夕も演ることになっていたので
午前中は折り紙のアトリエをした。
アシスタントの娘が大活躍してくれて助かった。
ありがとう!
周りには、
フラワーアレンジメントや
花の入ったハーブティーを飲めたりと
楽しいスタンドがたくさんあった。
アトリエの後は、アマチュアピアニストや
ちびっ子ピアニストが公園の中で演奏する
オープンコンサートがあった。
なんと娘は、
ショパン国際ピアノコンクールを見ていた時から
憧れていたイタリアのピアノ
ファツィオリを弾くことができて
感激していた。
そして夕方、いよいよ迎えた本番!
バンジャマンの作ってくれたシャボン玉に
子供達は大喜び!
人魚姫の切なさ
七夕の喜びを
吟味して選んだ美しい曲の数々に支えられ
私も子供達と一緒に味わうことができた。
この日は、
アトリエやコンサートで出会った子供たちの他にも、
紙芝居がお好きという日本領事の方とお話できたり
プロのカメラマンの方にたくさん写真を
撮って頂いたり
ファツィオリやスタンウェイについて
調律師さんから熱く語ってもらったりと
思いがけない嬉しい出会いが沢山あった。
お話や絵の向こう側でピアノを弾く、というのは
私がたぶん一番自分らしく居られるところだ。
この仕事で
花をテーマにした素敵な音楽祭に参加できて、
本当に幸せな1日だった。