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numéro 24
3歳の甥っ子を含めた私以外の家族全員が
スキーをした初日。
ホットチョコレートを飲みながら
優雅に待っているはずだったのに、
雪山を見ていたら
なんだか猛烈に滑りたくなってきた。
気づいたら帰りにスキー学校に寄り
個人レッスンを申し込んでいた。
スポーツが苦手、寒がり、で
慎重派な(というよりおっかなびっくりな)私には
珍しい衝動的な行動‥
家族も、え?滑るの?とびっくりしている。
やったーママ!頑張れ!と
娘は嬉しそう。
レンタルしたゴツいブーツを履いて
スキーを抱えて
ロープウェイに乗る。
お、重たい。
動きがプレイモビルみたいに
ギクシャクしているけど
本当にできるんだろうか?と不安がよぎる。
ところが授業が始まると
冗談ばかり言っている面白い先生で
わかりやすく説明してもらい、
とてもとても楽しかった。
何より、
Joli ! joli ! いいねいいねと褒めてくれるのが
ありがたい。
スキーがちょっと気になっていたのは
以前に読んだ
三澤洋史氏の『オペラ座のお仕事』で
指揮者カラヤンがスキーの達人だったと知った時だ。
スキーは指揮と似ている‥⁈
そして孤独な冬のスポーツ、
ひとりで黙々と山を降りる感覚というのを
味わってみたくなったのだ。
実家の近くには江戸川沿いに土手があり
幼い頃、段ボールを敷いて滑るのが大好きだった。
ロープに引っ張られるリフトは
これも異常なくらい気に入っていた
アスレチックに似ている。
...そんなことも思い出していた。
実際には黙々と、というには
程遠い感じで
何度も転び、息を飲み、
2時間レッスンの最後には
ふらふらになっていた。
それでも44歳のクリスマスイブに
初スキーに挑戦したことを
私はきっと
ずっと覚えているだろう。
雪マジックに乾杯!