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碧に寄せる詩


この夏娘は
小林愛実さんのピアノをライブで聴くという
夢を果たしたが
私もまた念願を叶えた。

作曲家 轟千尋先生のピアノセミナーに参加してきたのだ。
ご縁があって、ここ数年
メールやお手紙をやりとりさせて頂いていたが
実際にお目にかかるのは初めてだった。
偶然にも今回の私の日本滞在中に
千尋先生の新譜とCDが発売され
それに合わせてセミナーが開催されることを知った。

場所は横浜みなとみらいに新しくオープンしたヤマハ。
実家のある埼玉から電車だけでも2時間はかかる。

新しいヤマハは、ずいぶん楽しい場所だと聞いていたし
千尋先生に直接ご挨拶する機会を逃したくはない。
定員30名のセミナーに思い切って予約をした。

実は電車に乗ったとたん
携帯が使えなくなり(SIMカードの容量不足。。。)
うろ覚えの乗り換えをしながら
なんとか目的地に着いた。
ピッカピカの巨大ヤマハビルに入り
汗をかき髪を振り乱してエスカレーターを上がると
千尋先生ご本人が
太陽のような可愛らしい笑顔で
わーえりこさんっと話しかけてくださった。

「碧に寄せる詩」というピアノ曲集には
タイトルを聞くだけでワクワクするような詩的な曲が
いくつも収録されている。
ピアノを弾きながら
1音1音、和声、リズム、休符などに込められた
作曲家ご本人の想いを説明して頂き
とても勉強になった。
千尋先生のピアノの音色も
それはそれは美しかった。  


フランスでは
先生になるための学生の授業はいろいろとあるが
先生のためのセミナーというのはあまり聞かない。

時代の変化につれ
子供達は変わっていく。
何十年も同じテキストを使い続け
どんな生徒さんに当たろうが
ずっと同じレッスンをするのは避けたい。
もちろん一生使いたい
素晴らしいメソッドもたくさんあるが
先生にだって常に新しい挑戦をして
リニューアルすることが必要だと思う。
先生のための勉強会というのは
素晴らしい。
だって現場に出てみて
ぶつかる悩みのなんと多いことか。

考えてみれば
そもそもフランスには
大きな楽器店というものがない。
楽器は楽器屋さんで、楽譜は楽譜屋さんで
購入する。

なんでも細分化されていて
それはそれで良いことではあるが
このように楽器店が企画して誰でも参加できるのは
良いなあと思った。

音楽学校や音楽祭が企画する
マスタークラスなどはよくあるが、
先生というより生徒に寄り添ったプロジェクトが多い。
今の私の勉強会は
もっぱら娘のレッスンに付き合うことだ。

でも今回は知らないピアノの先生方と
セミナーを受けることでも刺激をいただいた。

そういう意味でも
頑張って横浜まで行って本当に良かったと思った。


セミナー後に合流した友人が撮ってくれた思い出の1枚に感謝
自慢の友人達を紹介できたことも嬉しかった


楽器体験のできるコーナー、天井も高く解放的で気持ちが良い



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