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numéro 22
発表会で素敵なプレゼントをしてくれたのに
今年最後のレッスンで
さらに白いバラの鉢植えを持ってきてくれた
高校生のトスカ。
懇意にしているママのヴェロニクが
これはマミーへ、とにっこり笑った。
カードを開けると
マミーのいない初めてのクリスマス、
でもどうか悲しまないで、
あの最もチャーミングなアクセントで
Les enfants, C’est la vie
レザンファン、セ ラ ヴィ 子供たちよ、これが人生よ
ときっと笑っているのだから。
メリークリスマス!
と、書かれていた。
粋な思いやりに胸が詰まった。
そう、この年末はマミーがいない。
私と日本にも行ったスーパーおばあちゃん
夫の祖母マミーが亡くなって4ヶ月経つ。
冬になるとかぎ針で皆の室内ばきを編み
手抜きよと言いながら
腕を奮って料理をしてくれたマミー。
小さなキッチンに小さなツリーを飾り
子供達へのプレゼントを吊り下げ
家族が集まることを
何より喜んでいた。
あのアパートはもうすぐ人の手に渡る。
大好きだった港町に行くことも
当分はないだろう。
だから悲しくないように
今年はぜんぜん別のクリスマスを
しようと決めた。
義妹家族と雪山でアパートをシェアするのだ。
大人2人、子供1人、猫2匹、
電子ピアノ、クリスマスプレゼント、、、
テトリスのように車に
大量の荷物を積み込んでいざ出発。
お隣はスペイン、ピレネー山脈のフォン・ロムーの
スキー場に到着した。
(つづく)