泣き虫なねこの青いセーター
2月の後半ごろに、気になった絵本。
『ねこのセーター』
ざっくりしたタッチの表紙から伺えるのは、色んな物がある家と、太い眉に、少ししょんぼりとした目とへの字口の猫。
さぁこの猫さん、どんな猫さんなんでしょう。
猫さんと、セーターの関係は?
と、ワクワクします。
開いて初めに、この猫が、さむがりで、なまけものだという説明がありました。
親切設計。この先、すぐに読む文章の助けになります。
画面に続くのは、赤い屋根の素敵なお家。
素敵な青いセーター。
これが、このお話のセーターなんでしょう。ですが、このセーター、穴があいています。
それでも、猫はそのセーターを着るのです。
よっぽど、素敵な思い出があるのか、とてもお気に入りなんでしょう。
場面は赤・青・黄の原色が鮮やかに続きます。
さむがりで、なまけもの。
そして、なんと猫は、せっかちで、おぎょうきも悪いことが、わかります。
それだけでなく、猫は恥ずかしがりやで、泣き虫でもありました。
この猫、どんぐりに帽子をかぶせる仕事も、すぐめんどくさいと思ってしまいますし、食事もじっととることができません。そんな猫にどんぐりたちは、セーターに空いた穴を歌うのです。猫はお気に入りであろうセーターの穴をどんぐりたちに、歌って指摘され、恥ずかしくなります。
どんぐりたちとセーターは関係がありません。
どんぐりは言わば、ねこの仕事仲間でしかないのに、ねこのセーターの穴を歌うのです。
どんぐりに関係なく、猫の仕事にも関係ない、猫のお気に入りであろう、青いセーターの穴を。
暗い気持ちになった猫は、セーターを脱いで、そのまま寝てしまいます。
ですが、猫には”はやおき”という素敵な所があります。
そして、しょくパン2枚と紅茶を2杯の朝ご飯、
穴の空いたお気に入りのセーターを今日も着るのです。
あなたには、猫の青いセーターのように穴のような、欠点があっても、大切で、そばにおいておきたいものはありませんか?
そして、あなたには、あれもこれも頑張って出来ないと周りが思っていても、素敵なところ、ひとつはありませんか?
そんな、心を少し、ほっとさせてくれる気持ちになれる絵本でした。
それでは、また素敵な本探しに。