🇩🇰デンマークの森の幼稚園と佐渡の森の幼稚園🇯🇵

2016年10月にデンマークを訪れました。

その際見てきたこと、感じてきたことをレポートにまとめました。

レポートを作成したのは2016年11月になります。

ラジオ感覚で聞ける音声コンテンツもあります（有料）↓

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昨日は、
佐渡で行う「森の幼稚園」
にボランティアスタッフとして
参加してきました。

たぶん、
佐渡では初めての
試みだったのでは
ないでしょうか？

デンマーク発祥の
「森の幼稚園」とは、

名前の通り
森の中で
子どもたちを
遊ばせながら
学ぶスタイルの幼稚園です。

現地デンマークを視察して
佐渡に戻ってすぐに
知り合いの方が

森の幼稚園を
開催することを
知りました。

その方は、
新潟の森の幼稚園に
勤務されていた経験があります。

彼と1日一緒に過ごしてみて、
ほんとうに子どもが大好きなことが
伝わってきたと同時に、

子どもたちへの寄り添い方、
子どもたちへの関わり方、
子どもたちへの接し方

などなど、
とても勉強になりました。

小学生以下の幼児が
メインでしたが、

10人近く
集まった子どもたちは
みんなそれぞれ
違った魅力を持っていました。

ある子は、
カマキリ（生き物）が
大好き。

カマキリを捕まえて
嬉しそうに見せてくれました。

なのに、
気づくとそのカマキリが入った
虫かごの

紐を掴んで
ブンブン振り回し、
挙げ句の果てには虫かごごと
3m上空に放り投げ
そのまま落下。

これを5、6回
続けて喜んでおります。

「あぁ、カマキリよ。
どうかお許しください。」

と、祈ったものの
やっぱり虫かごを開けると、
カマキリは
バキバキに打ちのめされ、
完全KOノックアウト
でございました。

その子は
死んでしまったカマキリを
ぽいっと放り投げます。

それを見ていた
子分的ポジションの男の子は、

なんと
親分が捨てた
そのKOカマキリを掴んで、
嬉しそうに
自分の虫かごに
入れておりました。

「まだ、いきてる。」

と、にこにこつぶやいておりますが、
完全にどこからどう見ても
カマキリは死んでいます。

それでも
その子にとっては、
死んだカマキリが
宝物のようでした。

またある子は、
落ちていた椎の実を
一生懸命
被っていた帽子を脱いで
その中に集めていました。

鼻水は垂れ流し状態です。
鼻水なんかお構いなしです。

「あ、これ大きい（椎の実だ）よ」

と、渡すと

「ほんとだ！」

と、嬉しそうに受け取ってくれました。

「あ、見て！これは小ちゃい（椎の実）、かわいいね」

と、渡すと

「…。」

無視です。
興味なし。

興味ポイントがよく分かりません。

またある子は
落ちていた枝を握りしめ、
口に入れると
噛みちぎっていました。

美味しくないと分かると、
大量のヨダレとともに
リバースしておりました。

またある子は、
綺麗に黄色に色づいた
イチョウの木の下に落ちている
銀杏の実を

「くせ〜、くっせ〜」

と言いながら
大量に袋に詰めていました。

太陽が上がり
気温も上がってくると
子どもたちは上着を脱いで、
靴も脱いで、
裸足で公園内を
走り回っていました。

子どもはほんとうにおもしろい
生き物です。

突っ込みどころが
満載です。

けれど、
大人が何かを教えなくても
環境を与えてあげれば
自然と学んでいくのだと
思います。

どうしても
「これはダメ」
「それはやったら危ない」
と、大人が止めてしまいがちですが、

本当に危険なこと以外は、
大抵子どもたち自身が
危ないと察知して
自分で無理しないようにしている
ということも分かりました。

知り合いの彼は、
これから隔週くらいのペースで
「森の幼稚園」を
佐渡で開催するそうです。

ぜひ、一度この世界を
体験してみませんか？

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ここからは
デンマークの森の幼稚園
についてお伝えさせてもらいます。

先ほども
書きましたが、
この「森の幼稚園」というのは、
デンマークが発祥の地です。

そして、
現在は日本も含め
全世界にどんどん
広がっているそうです。

デンマークは、
九州と同じくらいの
国土面積ですが、

なんと500くらいの
「森の幼稚園」が
存在するそうです。

この数なのに、
全てが「森の幼稚園」
というわけではなく、

「森の幼稚園」ではない
幼稚園もあるそうです。

「森の幼稚園」の管理は、
各自治体が行なっているのですが、
新設されると
あっという間に希望者で
埋まってしまうほど
人気のようです。

今回見学させてもらった
「森の幼稚園」は、
完全屋外のみ（自然の中だけ）
ではなく、
建物もある幼稚園でした。

私立の幼稚園で、
園児が45人。

朝の6時半から
夕方の5時まで（金曜は4時まで）
が開園時間です。

朝早くから預かるので、
無料で子どもたちに朝食の提供も
行なっているそうでした。

クラス分けや年齢分けは
ありません。

様々な年齢の園児が
自由に好きなことをして
遊んでいます。

先生も担任制ではなく、
それぞれ先生の得意を生かして
料理の先生、
工作の先生、

など、
子どもたちが
やりたいことを教えてくれる
先生のところに行って
学びます。

料理がしたかったら、
料理の先生のところに行って
料理するみたいな感じです。

ちなみに、
幼稚園の”核”がキッチン（台所）
になるのですが、
ここでは毎日料理を
作っているそうです。

子どもたちも
包丁を使います。

1つの料理を作る場合、
その料理の全てのプロセスに
関わることをさせるそうです。

全部を体験する、させるそうです。

外には工具小屋もあり、
斧やノコギリなどの工具があり、
そういった道具も
使わせるそうです。

料理をさせるのも
工具を使わせるのも

『毎日の生活・暮らしが何よりも大事』

と考え、
そのために必要なことを
教えているのだそうです。

また、

『人と人の間にある心地よさを感じること』

も大事にしていると
先生方は話されていました。

園庭では、
鶏やヤギなどの動物も
飼育していました。

卵は料理に使い、
豚やヤギなどは大きくなると
精肉加工場に出して、
そのお肉を食べるそうです。

外には、
木を基調とした
遊具なども若干ありましたが、

日本のような
カラフルなポップな
遊具は見当たりませんでした。

幼稚園の建物から
歩いても行けるところに
森がありました。

何か公園のように開拓されていたり、
遊具があったり、
整備されたりしていない

本当の”森”です。

この森の中で、
子どもたちは3〜4時間は
遊んでいるそうです。

ただこれも
先生が

「森に行きたい？」

と聞いて、
「行きたい」と言った子だけ
行くスタイルを貫いて
いるそうです。

行きたくない子を
無理やり連れて行くなんてことは
ありません。

急な雨など天気が変わっても
気にすることはありません。

雨に濡れても平気な
服装で来ているので、
大丈夫とのことでした。

雨が降るのも
雪が降るのも
それも”自然の一部”
という考え方だそうです。

子どもたちは、

森の中を駆け回ったり、
ススキのようなものを大量に集め、
束にしたかと思いきや
大人たちに攻撃をしかけてきたり、
折れた木の幹に
よじ登ろうとしたり、

それはそれは
自然の中で自由に
遊んでいました。

自由だけれど、
1つだけルールがあり、
それが

「先生の見えないところには行かない」

というものです。

このたった1つのルールだけで、
子どもたちは自由に遊びながらも
行方不明になる子はいないのだそうです。

『ゆるく見守る』

スタイルだそうです。

ただ、
さすがに真冬になると
-10度まで気温が下がるらしく、
現在、森の中に小屋がほしいと
申請中だそうです。

この幼稚園でのお話で
1番衝撃的だったのが
お昼寝は”外”でする
というものです。

-10度の真冬でも”外”

常識が崩壊しました。

けれど、
こうすることで
子どもたちの肺は強くなり、
体も強くなり、
免疫が高くなり、
夜はぐっすり眠れるそうです。

すごい効果です。

見学を通して感じたのは、
「これをしたらダメ」
「これをしなきゃダメ」

といった禁止や制限が
ほぼないことです。

どこまでも自由でのびのび
でした。

床をペロペロ舐めている子もいれば、
先生にカットしてもらったばかりの
リンゴをワイルドに立ち食いしている子もいて、
水道の蛇口から出てくる水を
顔を仰向けにしてダイレクトに飲んでいる子もいる。

こんな風に
”自由に”
”自然の中で”
遊んでいる彼らは

ストレスがないそうです。

オムツやおしゃぶりの卒業のタイミングまで
自分で決めさせるデンマークの
幼児教育に私は魅了させられたのであります。

長々と読んでいただき、
ありがとうございます。

もし、何か聞きたいことなど生まれましたら、
コメントください。

私が見てきたことで
答えられる範囲で
お返事させていただきますね。