私と家族と食卓と#2〜プリン
お土産。
大阪の守口からおばあちゃんがうちに来るときは、和菓子屋さんの「絹笠」の三笠。
絹笠と言えばとん蝶というカリカリ梅と塩昆布がポンポンと載った、竹の皮に包まれたおこわが有名ですが、私はそれを大人になるまで知りませんでした。
うちに来るのは、梅田の地下街の店の三笠。
どら焼きのことを関西のある程度上の年齢の方はこう呼ぶ。
「三笠の山に出し月かも」の奈良の山の形に似てるから、とのこと。
二枚の皮に包まれた餡は見えないようにまあるく閉じられていることが条件だとか。
どら焼きでも結構こんな形あって、それがどら(銅鑼)焼きだって説もありますけどね。
まあ、どっちでもいいか。
「おばあちゃん、自分の好きなん買ってきた」感のある三笠よりも、
子供からすると銀装のカステラの方が格別だった。
箱の色が赤のちょっと高いのと、緑のとを2本。
いまいち味の違いがわかりにくいのですが、確かに赤の方がやわらかで上品な味わいの気がしないわけでもない。
姉に「カステラはカスで出来てるねんで。だからあんまり食べんとき」と言われ、薄々ウソと気づきながらも、積極的に食べるとダメ人間の烙印を押される気がして、私は「おばあちゃんせっかく買ってくれたし」みたいな控えめな表情をして食べる。
姉はその、カスで出来たとかいうカステラをめちゃくちゃいっぱい食べてましたけどね。
実家の裏のケイちゃんに私がいじめられた時には相手に凄んで庇ってくれたし、母に怒られて玄関の外に出された時はいつもそっと家の中に入れてくれていたので姉には恩義があるけど、カステラのことは結構根に持ってます。
父は、仕事の帰りが早い時は「今梅田やけどなんかいる?」と電話でお土産のリクエストを聞いてくる。
待っていた私が飛んで出て「ちょっと待って!お母さんとお姉ちゃんに聞いてみる!」とか、もう架かってくるのを予測してみんなで決めていた品を申し伝えるのでした。
一番リクエストしたのはモロゾフのプリン。
瓶入りなため「たくさん買うには持ち帰りに重たい」というデメリットを感じる頃、モロゾフは小さいサイズを出しました。
その後、容器を再利用したい関西の家庭ではネックだった、洗ってもなかなか取れない材料の書いたシールがプラスティックのカバーとなり、するっとはがせるようになって、あの時は企業努力に感動したものです。
「再利用」したこのモロゾフの瓶で母が時々作ってくれるプリンは、蒸し器で作るもの。
父が買ってくるのとはちょっと違うけど、出来上がるのを見守り、待ちきれなくてまだ冷えてない生ぬるいものを食べてみるのはワクワクとするものでした。
『プリン』
≪材料≫(4個分)
~キャラメル~
A グラニュー糖 40g
A 水 大さじ1
水(追加するもの)大さじ1
~プリン~
牛乳 250cc
B 全卵 1個
B 卵黄 1個分
B グラニュー糖 45g
≪下準備≫
・オーブンの予熱を160℃に上げておく。
≪作り方≫
~キャラメル~
①鍋に【A】を入れ、ブクブク泡が立ち、茶色く色付くまで加熱する。
追加の水を加え、鍋を軽くゆする。
すぐに耐熱容器の底に流し、完全に冷ましておく。
☆追加の水を入れる時、ちょっとハネるので気を付けて。
~プリン~
①鍋に牛乳を入れて沸騰直前まで温める。
②ボウルに【B】を加えて泡立て器で静かに混ぜる。
③①の牛乳を②に加えて手早く混ぜる。
☆なるべく泡立てないように、泡立て器をボウルの底にあてて混ぜます。
④ぬらした茶漉しに通し、キャラメルを敷いた容器に流し込む。
⑤バットに並べ、バットごとあるにホイルをかぶせる。
⑥オーブンで湯煎して160℃20分、表面が乾いて固まったら150℃で10分加熱する。
竹串を刺して卵液が流れなければ出来上がり。
⑦粗熱を取り、冷蔵庫で冷やす。
≪POINT≫
〇作って1時間以内の場合や、器に上下を返して盛り付けたいときは、底を軽く湯煎やガス火などで温めるとキャラメルがきれいに取れます。
〇写真はバニラビーンズ(1/4本)を入れています。
バニラビーンズはさやに切り込みを入れ種を取り出し、①で種、さやを入れて使います。
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