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瞬発的なパフォーマンスの向上を目指すなら、とりあえずハイクリーン

スポーツには様々なタイプがあり、それを極めるアスリートのポテンシャルも様々。トレーニングも当然、異なります。

今回は、特に瞬発力が重視される場合(例えばスタートダッシュや思いっきり蹴る・投げる・跳ぶなどの動作を含むスポーツ)のトレーニングに取り入れるべき”ハイクリーン”についてお伝え致します。


ハイクリーンとは

全身を使ったウエイトトレーニング種目の一つです。股関節の伸展を中心に全身の関節運動によって生まれるパワーを利用して、バーベルを拳上します。

重量が高くなるほど、単に筋力だけでなく、全身を連動させて力を生み出す器用さやスキル、スピードなどが必要となります。よって、トレーニングとして行うためには、まず正しい技術の習得が必要不可欠となります。

やり方

ハイクリーンの動作は、4つのパートに分けることができます。

セットアップ

  1. .床の上にセッティングしたバーベルの前に肩幅くらいの幅で立つ

  2. しゃがんで、シャフト部分を肩幅か少し広めの幅で握る

  3. 肘を伸ばし、視線は正面、背筋を伸ばしてアーチを意識

ファーストプル

  1. デッドリフトのように背筋を伸ばしてアーチを保ったまま、膝関節を伸展させて(股関節もやや伸展)腰を上げていく

  2. バーベルは体の近くを通すように、膝上まで引き上げる(股関節はまだ屈曲している)

セカンドプル

  1. バーベルが膝上を過ぎ股関節に近づいてきたら、上に伸び上がるように思いっきり股関節を伸展

  2. 同時にシュラッグ(肩をすくめる)してバーベルを胸まで引き上げる

キャッチ

  1. 勢いよく持ち上がったバーベルの下に潜り込むように、重心を落として手首を返す

  2. 肘は前に突き出すようにして、肩の上でバーベルをキャッチ

  3. 落とした重心を元に戻して直立

ポイント

  • 全体的に流れは止めずにおこないますが、特にセカンドプルからキャッチにかけては瞬発的に、勢いよく思いっきり動作をおこないます。ここで流れが止まってしまうと、キャッチするために十分な高さまでバーベルを引き上げることができません。

  • セカンドプルを始めるタイミングが遅いと、股関節の伸展やシュラッグによるパワーを十分に生かすことができないので、バーベルが膝上を過ぎたら即座に伸び上がる意識でおこないましょう。

  • キャッチ時は、シャフトをしっかり握るのではなく、指の付け根にバーベルを乗せるようなイメージでおこないます。肘を肩の高さくらいまで上げるよう意識しましょう。

  • 終わったあと、腕が疲れていたり筋肉痛が現れる場合は、フォームが正しくない可能性があります。重量を上げる前に、正しいフォームを習得しましょう。

効果

全身の関節運動を連動させておこなうので、全身の筋力アップ、連動性の向上に効果があります。

・股関節の伸展に関わる殿筋群、ハムストリングス
・股関節の伸展に関わる大腿四頭筋
・シュラッグに関わる僧帽筋、広背筋など

流れの中でも、特に瞬間的な股関節の伸展が動作のポイントとなるため、ハイクリーンが上達すればするほど、瞬間的な股関節の伸展力が上がると言っても過言ではありません。
この”股関節の伸展”は、体の中で最も大きなパワー生み出すことのできる関節運動であるため、瞬間的な股関節の伸展力が上がる=発揮可能な最大瞬間出力値が上がる=瞬発力が上がる、ということになります。

ハイクリーンの練習方法

これから初めてハイクリーンの練習をしようとする人は、軽いただの棒やポールなどで練習することをお勧めします。
スモールステップで少しずつ段階を踏み、まずはウエイトなしで一連の動作を止めずにおこなえるようにします。

  1. .立ったまま背中のアーチをつくる練習(イメージはオラウータン)

  2. セットアップからファーストプルまで背中のアーチをキープする練習

  3. セカンドプルで股関節を伸展させバーベルを太もも前面ではじく練習

  4. シュラッグの練習

  5. 3にシュラッグを加えて、セカンドプルの練習

  6. セットアップからセカンドプルまでの練習

  7. キャッチ姿勢の確認、練習

  8. セカンドプルからキャッチの練習

  9. セットアップからキャッチ(最初から最後まで一連の動作)の練習

これらができるようになったら、プレートなしのバーベルのみでおこないます。バーベルを持って、また2~9まで段階を踏んでいきます。
セカンドプルからキャッチまでの動作は、多少重さがあった方が感覚を掴みやすいかと思いますので、少しずつ重量を上げながら練習を重ねていきましょう。

また、重量が上がるほどキャッチの際に手首にかかる負荷が高くなりますので、練習の前に必ず手首のストレッチをおこなっておきましょう。

最後に

学生時代は陸上競技の円盤投選手として、高校生の時にはインターハイ、国体、日本ジュニアで優勝を果たした筆者。
当時はまさに、このハイクリーンが伸びるにつれ、円盤投の記録も伸びていった印象があります。

アスリートはもちろん、動ける身体を目指している人は是非トライしてみてくださいね!指導を受けたい方は、お気軽にご連絡ください。


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