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ファッションショーが導いてくれた、新しい出会い。

だいぶ間が空いてしまいましたが、米国進出の話が少しずつ進んでいて、色々書けるようになってきたので、再びnoteを投稿します。

前回はNEWSWEEKの記事が出て、米国の不動産の方とオンライン会議をして、出店候補地があるのかどうか、卸からなのか直営店なのか、直営店なら家賃はいくらなのかとか、そんな調査を続けていたところだった。

(ああ、ニューヨークの路面店、SOHOなんて10坪で250万かあ。やっぱり東京の1.5~2倍だなあ。。。でも10坪だったらカバンがちょっとしか置けないよ・・・。)

そんな風に結構具体的な数字と睨めっこしては、やっぱりハードルが高いかもしれないと弱気になっていたある日、挑戦の方向がちょっと変化するイベントがあった。


それは、ファッションショーだ。

私は自分の名前のブランド「ERIKO YAMAGUCHI」で毎シーズン衣服をインドで作り、ファッションショーをしている。
お洋服はバッグと違い、何十型も1シーズンに作るからとても大変だけれど、ファッションショーをやるのはもっと大変だ。

全てのブランドがファッションショーをやるわけじゃない。
物を売ることがゴールだったら、必要でもないと思う。
でも私は「表現活動」の末に哲学や考えを届けることができると思っているので、最初のシーズンからずっとやっていて、今期で5回目だった。

今回のテーマは「NOMADIC」。

九段会館という渋い会場を選び、照明、音響、モデルさん、メイクさん、みんなと協力して挑んだ。

音楽は、できれば生演奏が良いといつも思っているので、今回は福岡から、国内トップの馬頭琴の奏者をお呼びした。

DORAN(ドラン)さんの馬頭琴による、神秘的で力強い音色は、会場全体を、私たちを、「NOMADIC」の世界へと引き込んでくれた。

ドランさんの美しい馬頭琴の音色と、インドのみんなが作ってくれたお洋服と、それをまとって歩くモデルさん、みんなの力が結集された時間だった。

ショーの動画はこちらからご覧いただけます。


ファッションショーの準備中は毎回、緊張して動悸が激しくなり不眠になるのだが、今回は、さらにその緊張を増大させるニュースが、ショーの2日前に入った。

「ロサンゼルスのスタイリストさんがたまたま日本に来ているようで、時間があったらショーを見たいと言っています。」と米国のチームから連絡が入ったのだ。

しかもそのスタイリストさんのクライアントは、ビヨンセ、アッシャーだと。

私はいいニュースがあると、それは本当かなって最後まで疑う人なので、当日まで来ないんじゃないかと内心思っていたが、なんと、本当に来てくださった。

プライベートな来日らしく、カジュアルな雰囲気だったけれど、ショーの挨拶で出た時に、はっきりと目に飛び込んでくる存在感だった。


ショーが終わって、ドキドキしながら皆さんに挨拶をしていると、彼女が大きな目をパチパチさせながら私に抱きついてきてくれた。

「日本の旅を特別なものにしてくれた!あなた、最高のアーティストだわ!」って最初に言ってくれて、私は何がなんだかわからず「え、服、好きですか?!気に入りましたか?」とか、訳のわからない回答をしてしまった笑。

ショーの後は毎シーズン、お洋服の予約会をしているのだが、なんと、彼女は予約会場へも足を運んでくれたのだ。
彼女はラックにかかっている商品を真剣に見ながら試着を始めた。

忙しいのにありがたいなあ、、、と内心思っていると、彼女は私に、自分の気持ちを熱心に伝えてくれた。

「日本のブランドはよく知ってる。ただ、あなたの服は、日本だけじゃない。すごく、民族的というか、東洋的というか。でもちゃんと日本の美学が盛り込まれている。。。素材の活かし方や、柄の色彩が、単なるアジアでもなく、日本でもないから、何か新しい。けど、懐かしい。このバルーンになっているパンツのシルエットなんて、個性的だけど、とっても着やすい。この柄のワンピース気に入っちゃった。あなた、最高のアーティストね!!!ロサンゼルスに来たら、紹介したい人がいるわ。私のクライアントでとっても似合いそうな人がいるの!!」

「え・・・」

あまりにも最上級の言葉に、私はちょっとフリーズ気味だったのだが、もっと感動したのは彼女が着てくれたワンピースが、本当にお似合いだったから。

そして、私は言った。

「ロサンゼルに来たら紹介したい人って。。。誰ですか。。。?」

続く。



今回のショーの詳細と「ERIKO YAMAGUCHI」についてはこちらからご覧いただけます。


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