久しぶりの米国出張で食らったパンチ
どうなるかわからないけど、こんなnoteコラムをスタートした。
なぜなら「なんだか人生で貴重な経験を今している!」と感じていて、単純にそれを自分だけじゃなく、スタッフや、大好きなお客さんたちとも共有したいからです。
さて、5ヶ月前、私は10年ぶりくらいにアメリカに行った。
ニューヨークとロサンゼルスだ。
ロサンゼルスは初めてになる。
「途上国から世界に通用する」という言葉をこの17年間で何万回発したかわからない。
「世界に」という意味を私は「東京・ニューヨーク・パリ」と自然とイメージしていた。
この17年間は「世界に」は「日本に」だった。
そのことをこれまで全く、気が付かなかった。
ニューヨークに到着して、私たちは兼ねてから連絡を取り合っていた、ディストリビューター(米国市場でバッグを中心に卸を行っている仲介人)であるELENAと合流した。
待ち合わせ場所はNORDSTROM。
米国に300店舗もある最大手百貨店だ。
1階に入ると、既にバッグのフロアが広がっている。
並んでいるブランドは、メゾンではないことが特徴だ。
実は、それがNORDSTROMの立ち位置で、Bergdolf GoodmanやSak’s Avenueなどは、1階にメゾンブランドが並んでいる。
NORDSTROMの1階はというとこんな感じ。
アニヤハインドマーチ、コーチ、マイケルコース、ケイトスペード、ロンシャンなど、米国ブランドが中心だ。
こうみると、米国発のブランドは、非常にニューヨークの街並みに合うカジュアルでややスポーティな印象のものが多いなあと思っていた。
なので1階に入った時私は「あれ?レザーじゃないの?!なんでこんなに非レザーなんだ?」と一言目に発した。
アニヤハインドマーチの麻バッグ、ロンシャンのナイロンバッグが最も目についた。
パリとの違いは、街並みからも感じられる。
ニューヨークはキャリアなファッションだった。
「バリバリ働いている。ここは、大きな丸の内だな」と思った。
女性のタイトな黒いスーツパンツ姿っていうのは日本だと金融機関の女性くらいにしかみないが、日本よりもややお堅いイメージ。
黒いスーツパンツの首元には、IDホルダーが目立つ。
そして、昼休みなのか財布と携帯だけ手に持ってピンヒールを履いて女性二人で歩いていた。
NORDSTROMでは、ELENAがバイヤーの女性を紹介してくれた。
彼女にもマザーハウスのサンプルを見てもらっている。
率直な意見を教えてほしいと言っていた。
「品質はとっても高いし、それに比べて価格がとても安いし、全体的にコンセプトも時代に合っている。でも、主力であるバックパックは、、、正直難しいと思うわ。やってみないとわからないけれど。なんていうか、バックパックのスタイル自体はニューヨークでは難しさを感じる。つまりワーキングスタイルとしての提案は。旅行では違うけれど。」
「ニューヨークではとにかくミニバッグ。SからMくらい。20cmくらいかしら。」
百貨店バイヤーだからこその具体的なポイントに非常に説得力があった。
「みんなPCは入らなくて良いんですか?街を見ると、すごく働いている人ばかりだから。」
「PC?なぜわざわざ持ち帰るの????」
「え、家で仕事したりするから。」
「え?家にもPCあるじゃない。クラウドに上げてるから。」と即答された。
「まあ、うん。」
そうか、そうだよなあ。こんなに重たい荷物を持って、お客様からPCが入るポケットってどこにありますか?と聞かれる市場って世界では本当に日本の、しかも、東京などの大都市だけかもしれない・・・・。
「書類?ペーパーレスでしょう。あ、あと財布もみんなお金は持たないからカードが入れば十分だよ」と。
だからそもそも財布売り場というものは存在しなかった。
初日開始2時間くらいで日本で売り上げている主力商品群が瞬く間に消え去っていった。
次回へつづく・・・