スリランカで新しい挑戦がはじまりました。
スリランカでの活動が始まったのは2016年。お客さんの一人が
「スリランカってすっごく綺麗な石が採れるんですよ」
って教えてもらったんです。
それを聞いて私はすぐに「へえ、行ってみたいなあ」と思い、実行!
コロンボで一週間くらい手仕事の産業を見て周りましたが、やっぱり採掘場から採れるカラフルな石と、それを加工する技術を持った職人さんたちの可能性に最も惹かれ、今では工房を持ちながら職人さんとブライダルリングをはじめ、たくさんのファッションジュエリーを生産しています。
その中で、「見てみて、すっごく面白い石が採れたんだよ。」
とパートナーのイスルさんが見せてくれる貴石が度々ありました。
それは天然なのにグラデーションがかかっていて、息を飲むような美しさ。
「わあ・・・・・。これほんっとにすごい。パワーを感じるくらい・・・。」
「そりゃそうだよ。きっと10年に1度くらいしか出ないから。」
「これどうするの?」
「見つけられたのが奇跡だから、石として持っておくんだ。だって資産だからね。石の希少性から考えて価値が下がるなんてことはあり得ない。」
と教えてくれました。
「へえ・・・。ちなみにさ、それいくらなの??」
「うーん、石だけで、、、。」と今まで扱ってきた金額と桁が違う数字を教えてくれました笑。
私たちのブランドやお店とはまるで違う金額だし、なんていうか別世界のように感じたので、その時は「へえー」とか「わあ」で終わっていたそうした石たちとの出会いでしたが、
時間をかけて考えるほどに「スリランカの面白さって、やっぱりそういう石が地面から出てくる、その奇跡にあるよなあ」って私は考えるようになったんです。
でも販売の立場に半分立っている自分としては「値段が他の商品と離れ過ぎている」とか、「1粒しかない」とか、そういう理由を瞬時に思ってしまっていた。
(なんのために、この仕事、やっているんだっけ?)
迷った時にいつも自分に聞く質問。
”途上国、生産地の可能性を最大限に発揮する”ことだよねっていつも答える。
それは17年ずっと、“売上の最大化”ではなかった。それは結果としてお客さまを見ていたらそうなるように設計したいけど、一番上にくるのはまだまだ国際舞台に立てずに世界に届けられていない途上国のクラフトマンシップを最高の形で届けるブランドであり続けるってこと。
もしそうだとしたら、1粒だろうが、数百万だろうが届けてみる挑戦をすべきじゃないかな?と結構長い期間、考えた先に出した答えでした。
私はマザーハウスがビジネスに直結しなくても、「可能性を“紹介する”」という機能もきっと持つべきだなあって、今回の件を通じて迷いの中で見つけた。これは今すぐに答えは出ないけれど。
そんな背景があって、今回、「イスルさん、それやっぱり見せてくれる?」と再び向き合った貴石。
それは、生まれ持ってグラデーションの色彩を内包するサファイアです。
たった「3つだけ」発見したので、それを使って、ジュエリーリングを3つ、なるべく石の色彩と形状を際立たせるだけのデザインを試みて、作ってみました。
「OCEAN」と名付けた青から透明のグラデーションをもつサファイアは身につけた時に既にパワーをもらうような感覚があった。
そして一目惚れした石は、「EARTH」と名付けた緑から青の色彩をもつもの。
美術品のような美しさがあって、癒しのパワーを持っていたのです。
ちなみに、サイズは全て「カスタマイズ」させて頂くことに。
少しお時間がかかるお渡しになる。
さらに実物は1粒ずつしかないのでジュエリー本店(秋葉原)から大阪などをキャラバン的に動く、と言うオペレーションの難しさも満載なプロジェクトですが(苦笑)、私としてはまた一つ、“らしいよね”って思えるアクションができて、大満足です!
こんな背景をつらつらと書いた理由は、何か新しいことやプロジェクトをやるときに辿った自分の意思決定の迷路を書くことで次のアクションの時に読み返したいなあと思ったし、この気持ちを持って、また次に出てくる石との遭遇を大事に育てないなって思ったからです。
今回はサファイア特集になっていますが、イスルさんが「またすごいもの見つけたんだ!」ってLINEが入ったのは10日くらい前。生産地も刺激を受けたみたいで、まるでハンターの如く、石の発見をしてくれています!これからも感動を一緒に共有できるジュエリーマザーハウスになれるよう、頑張りますー!
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