よわね

弱音なんぞ,自分だけが読める日記帳にでも書けという話なのだが,自分のために書いてしまうと自分にぶっ刺さりすぎて辛くなりそうなので,もしかしたら誰かが読むかもしれないところに弱音を吐く.

学校を卒業し,仕事を始めて2年とちょっとが経つ.ヤマアラシのジレンマではないが諸事情あって,私と一緒に働く人とが互いにボロボロにならないようにするためには,私が今いる場所から離れることも一択なのかなと思うようになり,転職活動を始めてみた.

なのだが,どうしても履歴書や職務経歴書を書く筆が進まない.不安が胸を埋め尽くしてしまい,文字を打つことが怖くなってしまう.転職の動機や,自分が取り組んできた仕事の説明などが頭に浮かぶことは浮かぶのだが,なぜだか頭に浮かんだことを自分自身が秒で否定してしまう.あれも違う,これも違う,それじゃダメだ,を自分の中で延々悶々と繰り返してしまう.その結果,私には胸を張って語れることなどない,人に堂々と語れるような仕事などできていない,という結論に陥ってしまう.

こうして自分の思考回路を書き出すと,つくづく自分で自分の首を絞めているなと思う.誇れる仕事Aがあるから胸を張って仕事Aの話ができるのではなく,仕事Aについて胸を張って語ってみることで,自分の中に「仕事Aができたことは自分の誇りだな」という認識を作ることができるのかもしれない.

また,誇大も矮小もせずに自分のことを捉えて表現することがめちゃくちゃ難しいなって思う.私は苦手.どちらかといえば自分を矮小して捉えがちなのだが,その自己認識をそのまま表現すると「なんか違うな?」という感覚に陥る.それで,理想の自分の方向に向かって表現を増築してしまう.すると,それはそれで今の等身大の自分とは違うので,やはり「なんか違うな?」という感覚が拭えない.

等身大の自分を見つめることはとても怖い.理想と現実とにギャップがあることを直視することが怖い.理想的ではない現実を,それとして認めてしまうことが怖くてできない.そんなことを言っているから,だんだん,今自分が立っている場所がわからなくなる.理想としている何かにどのくらい近いのか,あるいはどのくらい遠いのか.それを測ることができなくなっていく.

話はガラッと変わるのだが,私は技術の話をするのが苦手だ.それは技術が好きじゃないからだろう,そしたらエンジニアとして働き続けようなんて考え辞めちまいな,と心の中の過激派が囁く.それも一理あるように思うが,というよりも,私が初めてプログラミング・ソフトエンジニアリングに触れたタイミングで,周りには私からみるととてもつよつよに見える人がたくさんいたこともあり,私が何を言ったところでどんな話をしたところで取るに足らないことだよな,と自分を卑下してしまうところがある.卑下グセは技術の話に限ったことではないか.

そんなわけなのだが,最近は推しの話をするように技術について語ればいいのか,と思うようになった.推しの話ならいくらでもできる.いや,いくらでもできると書いたが,実際は,推しの話をしようとするときも,「こんなん古参の人はずっと前から思って言葉にしてることなんだろうな」とか「おんなじこと他の誰かも言ってて,パクったって思われないかな」とかすぐ考えてしまってなかなか言葉を出せないので,いくらでもはできない.

そう考えたら,好きの度合いや熱量の有無にかかわらず何かについて語るのは苦手なのかもしれない.技術について語るのが苦手なのは,好き嫌いが原因では無い.私の語ることがどう受け取られるかを相手に委ねる度量をもって,どんなことであれ堂々と語ったらいいんだと思う.

とりとめもない弱音と自己分析でした.

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