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秋ドラマ『わたしの宝物』〜宏樹しか目に入っていない感想と家庭内モラハラ〜


いよいよ待望の新ドラマ『わたしの宝物』が始まりましたね!!初回放送の10月17日は、私は仕事をしていたこともありリアルタイム視聴は叶わなかったのですが、当日はずっとソワソワしていました。ネタバレをしたくなかったので、その日は大好きなツイッターも推し活グループLINEも封印して、帰宅してから大急ぎでやる事を済ませ、自室でゆっくり心を落ち着けてから配信で視聴しました。

いやぁ、良かった!!!私の推し 田中圭さん演じる 宏樹が見事なモラハラ夫でした。事前情報で、このドラマの役柄はモラハラ男だということを耳にしていて、いったい今度はどんなお芝居を魅せてくれるのかと、とても楽しみにしていました。宏樹の、常に全身から放たれるイライラ感や、発せられる言葉のトーンから伝わってくる絶妙な不快感、理不尽なことを言っているのに有無を言わせない圧迫感、そして、なによりも何か理由がありそうに思わせる苦悩感。いったい何があったの宏樹??!!これ絶対何か理由があってこうなってるんじゃないですか??今後のストーリー展開が気になりすぎます!!大満足で1人でスタオベをしながら第1話の配信を何度もリピートしました。いやぁ楽しい。

推しのお芝居の素晴らしさに ひとしきり満足してから、ツイッターの感想も見てまわりました。モラハラが酷かった、怖かった、最低、という感想が並び、そうだろう そうだろう、と頷きました。やっぱりあのお芝居には震え上がらせられましたよね。すごく素晴らしかったもの。

さて。

このドラマは夫以外の子供を宿し育てる『托卵』という なかなかセンセーショナルな事柄が物語の軸にあるそうです。主人公の美羽は、モラハラ夫 宏樹との辛い結婚生活の中で、幼馴染の冬月と再会し、冬月の子供を身籠ります。そしてその子供を宏樹の子として育てていくのだそうです。

これ、普通に考えれば、不倫も不貞の子も夫に偽る事も それ自体の方がよっぽど重大なインモラルなのです。しかし、初回放送後のネットでは、その事を指摘するよりも、宏樹のモラハラを責める感想のほうが圧倒的に多く、ドラマの制作側が狙った第1話を上手く滑り出せたのではないでしょうか。なかなか難しかったと思います。宏樹がちゃんとしっかり嫌なやつでなければ成り立たなかった。そう思うと、本当に推しのお芝居はカッコ良い!!と満足しています。第2話以降も俄然楽しみになっています。

実は事前情報で『宏樹は酷いモラハラ夫』と聞いて、私はもっと凄いモラハラを想像していました(笑) 人間は、大きな声を出したり、誰かを攻撃したりするときに、脳内からアドレナリンが出るそうですよ。そのアドレナリンが興奮状態を作り、人によっては それを快感と認識して やがて攻撃する事を楽しむようになってしまう人がいます。そういう人は、この世の中にたくさんいます。社会の中、学校の中、家族間、友人間、ネットのなか。程度にもよると思いますが、人と人が関わる場所ではどこでも、誰かが誰かを嬉々として理不尽に責め 攻撃する…なんて事は、よくある事なのです。とくに家庭内などの閉ざされた中では、夫婦間でのモラル ハラスメントは常態化しやすいそうです。そして、それはときとして目を覆いたくなる様なひどいモラハラとなることも多いのです。そんな事を考えながら覚悟を決めて視聴したので、宏樹さんのモラハラぶりは怖かったけれど、どちらかと言えば苦しそうで嬉々とはしていなかったし、思ったより人として酷くはなかったよな…などと個人的には思っていました。とにかくいったい何があってそうなったのか気になる!!宏樹のこと、私ぜんぜん嫌いじゃないです!!でも十二分に嫌な奴でしたけれどね(笑)


ところで。少しズレるのかも知れないのですが。家庭内モラハラの事を思い返せば、我が家にもちょっとヤバい時期がありました。私は、このイギリスで夫と出会い、国際結婚をして、2人の子供にも恵まれ、長いこと英国で暮らしているのですが、特にまだ子供が小さかった頃、私は英語での暮らしや仕事と育児負担が重なり、ストレスでぱんぱんだった時期がありました。その頃に、夫に素っ気ない態度を何ヶ月…いや数年くらいとり続けていた気がします。けっして日常的にひどい罵声を浴びせたとかはありませんが、冷えた態度をとっていた事は認めます。不満が爆発して喧嘩になることも度々ありました。離婚の二文字がよぎった事も何度もあります。でも幼い子供がいるかぎり、それは私たちにとっては簡単な選択ではありませんでした。結局、しょっちゅう素っ気ない不機嫌な態度をとり続けながらも、離婚はすることなく年月が過ぎました。やがてコロナ禍に入った頃、夫が鬱になりました。その前の年に、夫の父親(私の義父)が亡くなった事や、コロナ禍の英国での厳しいロックダウンが重なったのが、決め手の要因かと思います。夫は全く笑わなくなりました。あの腹が立つほど呑気で明るかった夫が、常に絶望の縁にいるような人になってしまったときに、私はようやく自分の冷たい態度もある意味モラハラだったと思うようになりました。私はそれまで、“家族になる”という事は、相手が自分の一部になる様なものだと感じていました。ひどく素っ気ない態度をとったとしても“家族だから大丈夫。それでも大丈夫。”となぜか思い込んでいたのです。自分の一部だから自分の思う様に扱ってもかまわないと。でもそれはたぶん、ちょっと間違っていました。私たちはこれまで他人だったものが、結婚という契約を交わし、お互いの人生を繋ぎ合わせ、二人三脚となる契約をしたもの同士。私は結婚してから、やっぱり自分の二本足で歩いた方が楽なのに!!…と、ときどき不満に感じていたのかもしれません。そして、そんな身勝手な不満を形にして、夫にぶつけていました。それは、理不尽な行為だったと思います。夫が鬱になり、彼がしんどくて心を動かせなくなったときに、私は妻として、どうにかして 夫の心が動けるように助けてあげなくてはならない、それは私がやるべき事だと、ようやく目が覚めたような思いになりました。2人の人生は繋ぎ合わさっているのです。結婚しているので。夫が倒れちゃったら私たちの家庭も倒れる。私は、素っ気なく冷たかった態度を改め、夫ときちんと向き合うようになりました。そして夫に元気になって貰いたくて、夫の望みであった義父の残した実家への引越しや、夫の夢であった大きな犬を飼うことを決めました。私が嫌だから…という理由で単純に断っていた事も考えを改めていきました。そして、徐々に雪が溶けていくように、夫は元気を取り戻していきました。今はすっかり元気です。結婚しているから、夫だから、少々は雑に扱っても大丈夫…なんて、どうして思えていたんだろうって今は思っています。結婚する前の付き合っていたときは、一番大事に思っていたし、大切にしていたのに、結婚をして、特に子供が生まれてからは、一番大事なものが変わってしまっていました。そしてそれが、ちょっとしたモラハラになっていたのでは無いかと今は思っています。

同年代の既婚女性と話すと、自分の夫のことを不満に思っている人は本当に多いです。今の時代に性別や年齢でくくって問題を語る事は多少憚られるのですが、既婚女性の30代40代50代って過酷です。家庭を持ち、嫁として母親としての役割を担うと、大変なことばかりが降りかかってきます。そんな中で、チーム家族の主要メンバーであるはずの夫が、自分の思う様な役割を果たしてくれなかったときに、めちゃくちゃ腹がたつものです。そんなときに、イライラしたり、不機嫌になったり、不満をぶつけたりしていませんか?あなたは自分の伴侶にモラハラをしていませんか?その昔、キリストはいいました。罪をおかした事のないものだけ、石を投げなさい。私は、ドラマの中の宏樹を嫌なやつだとは思っているけれど、そこまで石を投げられるような人物だとは思っていません。それくらいの気持ちになるときってあるよね、と思ってみていました。まぁ、本当に嫌なやつでしたけれど(笑)

このドラマの制作プロデューサーの最新のインタビュー記事を読んだところ、ドラマは今後はさらなる怒涛の展開をみせるそうです。毎週の木曜日の楽しみが出来て、私は凄くわくわくしています。あぁ早く続きがみたいです。楽しみだなぁ。(終わり)

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