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無自覚な差別に遭遇してちょっとキレた個人的な話。「自分が正しい」とは思ってはいけない。

ご時世柄、差別のこと考えてた直後に無自覚な差別に接触してちょっとキレた個人的な話。


まず、正直なところ私自身が「差別とは何か」定義づけられてないです。

「無自覚な差別」と書きますが、「相手は悪気がないけど、人種的なワードの冗談を言われて私が不快に思った」ということです。

英語とイタリア語を勉強しているので、色んな国の人と話をするのですが、黒人差別とかで色々考えていたところ、不意に無自覚な差別に遭遇。

あえて、どこの国籍の方かは言いませんが、私と同じくらいジョークが好き。皮肉も好き。だからこそ会話してて楽しい友人です。
出身は英語圏ではないのですが、英語は普通に話せて、いつか日本に住みたいくらい日本が好きな人です。

ただ、日本やアジアの文化に精通してるわけではありません。


かく言う私も、イタリアに行って初めて、イタリアのことは理解するレベルですら無く、本当何も知らなかったと知りました。


韓国や中国は行ったことがなくて、本当に知らない。

台湾とタイとフィリピンは行ったけど、恥ずかしながらフィリピンを日本が占領していた事すら、世界史で学んだ筈なのに記憶から消滅していました。

第二次世界大戦で日本は敗戦国だから、何故か占領も侵攻もしていないような気がしていました。

博物館でフィリピンが色んな国に占領されて行く変遷を見て、日本の記録を見つけた時に「え?日本って占領とかしてたんだっけ?」と愕然としたことを覚えています。

「日本って占領してたじゃん?」と言われたら、「あぁそんな時もあったね」と思っていたと思うのですが、逆にその程度なんです。

世界史の受験で出てくる1行。

私ですらアジアに対する理解がその程度なので、彼にとってはさらに知らない世界なわけです。もう宇宙みたいなもんです。



そして先日深夜に空腹状態で辛ラーメン食べて、案の定明朝お腹痛くなるのですが…。

そんなしょうもない話をしてまして、食べたいって言うからアマゾン買えって言ったらどれだよって言われて「私はハングル読めないから「辛」って漢字を探してる」って言ったら、本当純粋にどう翻訳しても理解できない文が返ってきました。



日本人らしく、とりあえず笑っておこうかなとも思ったのですが、さらなる返事が返ってきたら、私が返せないので「ごめん、分かんない」って言ったら「これは皮肉だよ」と言われました。


本当にジョークにはもちろん到達しないし、日本語訳もあってる?と思う程の英文だったので、ひとまず、彼なりの解説をしてもらいました。

僕らの中でアジア人=中国人と思っている。きっとそれが日本人の私にとって皮肉に感じるだろうと。

「これは慣れないエリカにはちょっときつい冗談だったね」って、言われて。

もう「は?」ってなりました。
いや笑えねーし。
まじで言ってる意味分かんないんだけど。
てか慣れの問題か?
私が慣れることか?

と思ったのですが、そういう"JOKE"は知らないから言ってしまっている事なんだと思いました。

だから私が怒ることは悪いことじゃないけど、相手にキレるよりは誤解なく「知ってもらうこと」が友人としての努めかなと。

彼が本当に日本に住みたいと思ってるなら、絶対に言ってはいけない表現。
しかもアジア人じゃないあなたが言うことではないよと。

こんな時だし、それなりの使命感を感じて、声を上げなければいけないんだと思いました。

それに私が言わずに、人を笑わせてコミュニケーションを取って仲良くなる彼が、逆に嫌われてしまうなら早めに伝えておくべきだと思いました。

でも、こと細かく、こういう背景とかこういう事があるからそういうの良くないよ!と言うには、まあまあ英語も話せて日本好きなら理解があるかなと思いましたし、出来るならそんな説教じみたことは言いたくない。

ですから「アジア人は同じじゃないよ。あなたの冗談は理解したいけど、これは大切なことだから。」と送ったのですが伝わらなくて。

というか、やっぱりアジアや日本のののと知らなかったのね。英語いくら話せても。

冷静に考えれば、日本人がこれだけ英語話せないんだから「英語話せるから世界全部を理解してる」なんて一切辻褄合っていないのですが。

これはちゃんと、アジアや日本、日本人やハーフが思ってる事を、若干私キレてるのも含めて伝えなければと勇気を持ちました。

「こんだけ英語話せる奴なんだから、こう言えばさすがに理解してくれ。これで理解出来ないならちょっと友達として無理だわ」と謎に言い聞かせながら。

たかだかメッセージで、こんなに考えて、誤解なく、不快なく、伝われ!と思いながら、文を足して消して修正するのは、本当に恋人の誕生日を忘れて謝る時か、親にお金を借りる時くらいですかね(笑)


私、正直に自分が差別意識があることも伝えました。

私はあなたのそのジョークは尊重出来ない。
アジア人はお互いに嫌いとは思ってない。でもどこか一緒にされたくないと思ってしまう時がある。日本人は他の国よりも民度が高いと思ってしまう。良くない事なのは分かってる。友人も「中国製品は嫌だ」と言う。潜在的に日本製品の方が優れていると思っているから。中国と日本のハーフの友人は私の前で中国語を話したことは一度もない。本人も「中国人じゃない上海人だ」と言う。きっとそれは日本人が持つ中国人へのイメージのせい。

完全に理解し合えないことに対して私たちは苦しんでいるんだと伝えました。

そして
「責めてるように聞こえたらごめん。でも私が不快に感じると分かってるなら、私のために今後私には言ってくれるな」と伝えました。


伝えたあとに、ちょっと怖いなって思いました。

こういう意見を言葉にするのは重みがあります。

理解してくれなかった時を考えると。

「こんな冗談も分かんねーのかよ」
「いやこれは冗談じゃない!笑えない!」

「俺の国ではそうだからさ」
「だとしても私は日本人だ!お前の国で生活してる訳じゃないし、一対一で会話してるなら日本人の私を尊重しろ!」

とか色々と心の中でロープレをして言い負かしてから、「どうか理解してくれますように」とメッセージを送りました。


幸い、ちゃんと理解しようとしてくれて日本語で「ごめんなさい」と返事が来ました。
そんな風に思っているとは知らなかった。エリカは僕を責めていいよと。


嫌いな人に嫌いとか言われても「あーそー私も嫌いやわあ」で済むけど、自分の友人や大切な人に無自覚にダメージを与えられた時ってしんどいね。

自分で「やめて!」って言わないといけない。

こちらサイドは「知って欲しい」「理解して欲しい」ですが、相手からすれば「あなたは言われないと分からない」と言ってるわけです。

「間違ってる」「変えたほうがいいよ」「そんなことも知らないのか」「低能だな」に聞こえないように、伝えるのは非常に難しい。


結果、理解してくれたので勇気を出してよかったなと思いました。

と同時に、私よりも多くの差別に合ってきた方や、暴力を受けてきた方の苦しみがどれ程だったか感じました。


相手がどれだけ人間的に終わっている人で、何か言われたり、何かされたりしたとしても、どれだけショッキングだろうかと。

すぐには整理のつかないことだと思います。

多様性を謳えば謳うほど、差を感じてしまったり、差をつけたくなるものなのかもしれません。

「差ではなく、違いなんだ」と全ての人が納得する日は来ないでしょう。

なんか、希望を持ってみんな地球人だよ!と言うのはなんかこう…言い聞かせるには良いと思うのですが、現実はそうならないと思うんですよね。


私は日本以外でも暮らしてみたいと思っているので、同じような局面にこれからたくさんぶつかるでしょう。

冗談も人を笑わせるなら良いとしても許されないレベルや許したくない関係もあるでしょう。

その都度、相手に知ってもらって、考えてもらって、互いの付き合いを選ばなければいけないんだと思いました。


自分で、勇気を後押しする時に
「自分が正しい」とは思わないように。

「自分を尊重して欲しい」というスタンスでいること。

「自分を尊重してくれないとしても、あなたなりの理解だと思うので責めはしませんが、私はこれ以上尊重は出来ないです。」

と思うことです。


でもこんなこと、
差別云々じゃなくて、日本人同士のごく日常的に接する人にも言えると思います。



どうでもいいけど、私は「尊敬」よりも「尊重」という言葉が好きです。

Respectを意識し始めたのは、元彼と別れた時にイタリア人の大好きな友人に「そいつはエリカに対してリスペクトがないよ!そんなやつ別れて正解!」と言われた時です。

その時まで、あんまり相手を尊重することを考えたことがありませんでした。

その日以来、自分が好きだと思う人は尊重するように気をつけているし、逆にどんなにその時好きだと思っていても私に対しての一定のリスペクト(義理とか礼儀とか)が無い人は離れて行って良いと思っています。

とはいえ、思うように尊重出来ないことばかりだし、尊重しなくていいやと思った瞬間に尊重しないを通り越して雑に対応して後悔もしたので、本当に人としてこんなことからだよなと、思う毎日です。

【Erikalinについて】
「イタリア初心者向け情報」発信中。色々と考えることが好きで、拙いのですが忘れたくない戯言を記録したり。最近思うのは私の仕事は「人徳」で成り立っているし、人徳を得られるくらい魅力的で居続けたいし、その為には「人となりを知ってもらう」ことが大切だなと。(南場智子氏の影響)

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