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生徒指導という言葉、早く「生徒支援」にならないかなと思いませんか?

よくあること

教育相談チームに所属しています。

時々こんな質問を受けます。
生徒指導と教育相談ってどう違うの?
教育相談とカウンセリングって違うの?
(最後に言葉の違いについて書いてます)

さらに、最近の電話相談のほとんどが「学校への不満」です。
ざっくり内容を言うと、
昭和のままの指導に令和の子どもたちは苦しさを感じている、
こんな理不尽な指導をしていいんですか?
というものです。
枠にはめようはめようと指導する学校、
枠にはまらない自分のこともありのまま認めてほしい子どもたち

という構図を感じます。

また、出前講座の依頼も受けていますが、その中に、
「学校の指導に従わない生徒にどう対応したら良いかを教えて欲しい」
と言うものもあります。
詳細を聞くにつれて、
「指導に従わないのは生徒が悪い、と言わんばかりだな・・・」
「生徒はどうなりたい・どうしたい、と思っているんだろう・・・」
「誰が生徒の本当の声を聞いているんだろう・・・」
「きっと先生方も良かれと思ってしている指導、でもそれは誰にとって良い指導なのか、どうしてその指導をしようと思うのか、見つめ直すことが必要だな」
と感じます。
「熱心な無理解者」という言葉が頭をよぎります。

そして思うこと

これらのことをひっくるめて最近思うのは、
これまでの生徒指導観から脱皮するために、
「生徒指導」という言葉が早く「生徒支援」という言葉に変わらないかなぁということです。

困った子は困っている子

過去と他人は変えられない

直そうとするな、分かろうとせよ

こういう言葉の意味が腹落ちすれば、

児童生徒の存在も思いも丸ごと受け止めて、
一緒に最適解を探して、
一緒に試行錯誤して、
その子を変えるのではなく環境を調整しよう

という方向性で生徒支援をしていく先生が増えるのかなと思います。

指導と支援、語感が全く違うので、
まずは言葉だけでも「生徒支援」に変わらないかなと思います。
「支援」という言葉を使うことで、
これまでのいわゆる「指導」のあり方に対し、
「あれ?これって支援なのか?」という気づきもあるといいなぁと。

冒頭の言葉の違いについて

ちなみに、冒頭に書いた言葉の違いについてですが、生徒指導提要によると

生徒指導と教育相談を一体化させて、全教職員が一致して取組を進める ことが必要

『生徒指導提要』第3章 3.3.1

主に集団の場面で必要な指導や援助を行うガイダンスと、個々の児童(生徒)の多様な実態を踏まえ、一人一人が抱える課題に個別に対応した指導を行うカウンセリングの双方により、児童(生徒)の発達を支援する

『生徒指導提要』第1章 3.3.1

ガイダンスとカウンセリングは、教員、SC、SSW 等が協働して行う生徒指導において、 児童生徒の行動や意識の変容を促し、一人一人の発達を支える働きかけの両輪

『生徒指導提要』第1章 3.3.1

こう書いてあります。
教育相談とカウンセリングの違いには明確な記述はありません。
言葉が違うと明確な線引きをしたくなりますが、総じてこう言えます。
言葉の意味や内容をはっきりと区別するのではなく、一人ひとりの成長のために両方で支援することが大切だ、ということ。

さらに、

本書では、児童生徒に対して、①特定の課題を想定しない場合は「支える」若しくは「支持する」、②特 定の課題を想定した指導や援助の場合は「指導する」、「援助する」若しくは「指導・援助」、又は③上 記の①②を包括的に示す場合は「支援する」と表記する。

『生徒指導提要』第1章 1.1.1脚注

とあり、このことからも、「支援」という言葉が適切だなぁと感じます。

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