修学旅行に向けて
長女は小学4年の冬から不登校になり、小学校の修学旅行は行くことができなかった。
自分の学生時代を振り返ると、遠足、校外学習、修学旅行・・・数々の学校イベントを普通に楽しんできた。当たり前に行くもの、参加するものとして過ごしてきた。特にすごく楽しかったという記憶もないが、誰しもが経験することとして捉えていたし、大人になってからも「小学校の修学旅行は京都」「中学校の修学旅行は九州」など共通の話題として挙げられる場面も多かった。
長女が修学旅行に行けなかった時、目の前が真っ暗になった。みんなが当たり前に通っていく線路の上に長女はやっぱりいないのかな、とか心の底から湧いてくる「ごめんね」っていう思い。(この頃は私は親として初期の不登校対応を間違えた、娘の気持ちに気づいてやれなかった、転校をしなければよかったなど自己嫌悪していた。今となっては、間違いも正解もないと思い直している。)
一番苦しい時期だったのかもしれない。
中学1年の秋。昨年のことだが、娘と二人で大阪へ1泊2日で旅行に行った。娘も私も大好きなk-popアイドルのコンサートのチケットが取れたからだ。
娘には言わなかったが、私の中では修学旅行に行けなかった分の旅行だと思っている。ものすごく楽しかった。何年経っても二人で思い出話ができる、本当に素敵な旅行だった。人生、楽しい瞬間、幸せな瞬間、たくさんあると知ってほしい。
現在、中学2年生。秋に修学旅行がある。絶対に行きたいと娘が言っている。
今週、校外学習があり、担任の先生からは「修学旅行につながるイベント」と言われており、参加できたらいいなと思っていた。
今朝「校外学習、行く予定だから」と娘が言った。
現地集合、現地解散、しかも電車で。ハードルが高い行事ではあるが修学旅行前の練習にはなるだろう。
今の娘なら、大丈夫な気がする。
もし行けなくても、落ち込まないでほしい。
やっぱり自分はだめだ、みんなとは違う、と思わないでほしい。
行けたらそれでいい。行けなくてもまた家族で楽しいことすればいいんだから。
幸せな瞬間は生きていたら絶対にあるから。
きっと今からドキドキしているだろう。緊張してしんどいだろう。
それも含めてあなたの人生、経験、人に優しくなれる糧だから。
なんだか手紙みたいになってしまったけど、こっそりとママはそんなふうに思っている。
「へー、行くんだ」とフラットな返事をしながら。