41.忌避の実態

正規開拓者を降りた私は『排斥』という自由への切符へと手を伸ばしたように感じました。

けれど排斥となると私はエホバの証人からして『サタンの一味』となり、
会衆のみんなどころか、母と妹にさえ私は完全に拒絶されます。
(※現在メディアなどで取り上げられている『忌避』です)。

NN兄弟の娘姉妹が排斥となった同じ頃、実際に排斥となった人がどういう扱いを受けるのかを目の当たりにしました。

ひとりの女性がいつも集会で始まりの讃美歌と祈りの直後にそっと王国会館に入り、一番後ろに用意されたひとつのパイプ椅子に座り、終わりの讃美歌の頃にそっと出ていくのが気になりました。

すごく華奢できれいな物静かな人で、
私はいつも彼女が王国会館を出入りするたびに無意識に振り向いて彼女を見ていました。

その女性がTT兄弟の奥さんのE姉妹のお姉さんのMN姉妹だということを少しして知り、彼女は排斥者であることも知りました。

彼女は排斥者から復帰することを希望して誠意を見せるために集会に参加していたのです。

私はMN姉妹を知らなくて、彼女がどうして排斥者になったのかなんて知る術もなく知ろうともしなかったですが、

違和感に感じていたのはK会衆の全員が無視というより、彼女がまるでこの空間にいない、
まるで空気か透明人間のように認知して彼女を見るために振り向くことさえしなかったことでした。

それが彼女の誠意が認められて復帰の発表がされた日、その集会を祈りで閉じて『アーメン』と全員で唱えた瞬間、
わっと何人もの成員がMN姉妹に駆け寄り『よかったねぇ!!よかったねぇ!!』と涙を流して叫んでいたのです。

たった数秒前まで彼女を空気扱いしていた人たちが掌を返すように泣き叫んで近寄っていったその光景が、私にはとても異様で奇妙で怖いと感じました。

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