4.懲らしめの弊害
幼少期はこの『懲らしめ』がなによりも理解できなくてすごく嫌で、恐怖でしかなくて、
私は『懲らしめ』に対する恐怖に支配されはじめ、いつも『いい子』でいなくちゃいけない、というのが私の頭の中の大半を占め、
常に母を怒らせないように、母のご機嫌を伺うようになっていました。
保育園の夕涼み会に家族で行った時に、先生に『焼きとうもろこし食べる?』と聞かれて無意識に母の顔を見てしまい、
『ERIEちゃんはお母さんの顔色を伺う子なんだね。』と言われたことが今でも頭から離れません。
私の中で『母の前ではいい子でいなくてはいけない』というのが性格形成の基盤となっていきました。
たぶんこの頃から、私と妹のおしりに時々無数のみみず腫れを見つけ、
特に私の母に対する萎縮的な態度、集会にでかける妻と娘たちを見送りいつもひとり家で過ごすこと、
自分が仕事の休みである日曜日は集会なので家族で出かけることもできないことに対する寂しさに、父はとても違和感を感じたのだと思います。
いつからか父は母がエホバの証人と関わることに対して『反対』の言動を表すようになりました。
特に父方の祖父は、もともと母とも折り合いが悪かったのもあり、『エホバの証人はだめだ』と何回も言っていたのを直接聞いています。
エホバの証人は、『未信者』の家族親族に反対されることは『悪魔サタンからの攻撃』『試練』と言って、耐え忍んだ後に救われるという教えだったので、
まわりから反対されればされる程エホバへの信仰心はますます頑なになるだけで、母も例外ではありませんでした。
父と母はよくけんかをして、私はますます家の中での居心地が悪くなってしまいました。