16.不活発
中学3年生の時に人生で大きな1度目の転機が訪れます。
ここでも『エホバは見ていた』らしく、母に隠していたコレクションが見つかります、2度目です。
今度は母は片っ端から破りませんでした。
全部を私と母の目の前に広げて、私に破って捨てるように言いました。
でも私はここで人生2度目の『エホバへの反抗』を表します。
私はエホバなんて愛しても、好きでもない、私の心の中にはエホバはいないのだと。
私は母に『自分が好きだと思うものを守る。』と言い、破り捨てませんでした。
その日から私は約1年間『不活発者』となり、集会に行くこと、奉仕活動に行くこと、聖書研究をすることを一切辞めました。
母と妹が集会や奉仕活動に行く最中、私は家の中で本当にひとりで、
いい子でいなければいけない、敷かれたレールの上を走らなければいけない、やりたいことや好きなことを制限されしたくないことをしなければいけない全てのことから解放されて、ひとりでいる時間がとても心地よかったです。
学校でも思いっきり音楽の授業で校歌を歌ったり、友だちのお誕生日にはちょっとしたプレゼントを渡したり、
恋愛だって自由にしてみたい、と私に好意を持ってくれていた同じクラスのT Mくんに告白するように仕向けて付きあうことになり、人生初めてのキスも経験しました。
彼とは結局2週間ほどで別れることになり、
別れてから数日後に家に電話をくれて『まだ好きだ。』と一生懸命気持ちを伝えてくれたのに『もうその気はない。』と突き放して終わりました。
私にとってTMくんはただの友だちでしかなかったのに、自分が今までできなかったことをしたい好奇心のみで彼の気持ちにつけいり、私は本当に彼に対して酷いことをしてしまったと、今でも申し訳ないと思っています。
ちなみに彼からの最後の電話で母は私が男の子と付きあっていたことを知りました。
TMくんは少しいきっているような子だったので、彼に教えてもらい好奇心で母の財布から3回、千円札を引き抜いたことがあります。
2回目で怪しまれ3回目で確実にバレてしまい母は私に『懲らしめ』をしようとあのゴムホースを出してきたけれど、
私は『ママ(本心はエホバ)が嫌いだから嫌だ。』と反抗しました。
母は後日祖母に、私に言われてしまった言葉を涙ながらに話したそうです。
その日からあのゴムホースが私の前に出されることはもうありませんでした。