3.懲らしめの鞭

※この記事は報道番組などで取り扱われている『鞭問題』の描写があります。
フラッシュバックの可能性の方もいらっしゃると思いますので、どうか無理して読まれませんよう、お気をつけいただけたらと思います。



私は集会中にトイレで懲らしめを受けることはありませんでしたが、
ではなぜ『懲らしめ』の仕組み、恐怖を知っているかというと、
家でも『懲らしめ』制度が導入されたからです。

母が自分でカットしたのか、成員の誰かからもらったのかは分からないですが、
ある日私と妹の目の前で長さ30cm程のオレンジ色のガスホースを2本手に取って見せて、1本ずつ私と妹の名前を書いて、『これはERIE と妹専用ね。』なんてさらっと言って、
私は母は頭がおかしくなったんじゃないかと思ったのを覚えています。

そのゴムホースをペコちゃんが描かれている真っ赤な缶製のかばん型の入れ物に入れて、
基本的には母の言うことを3回聞かないと懲らしめがはじまるという『3回ルール』という暗黙のルールがあり、
もちろん母に口答えをすると即刻で懲らしめが始まります。

母がリビングの茶色い大きなサイドボードの上に片づけてあるペコちゃんの缶から『鞭』を取り出し、
私と妹は自分でパンツを膝まで下げて正座している母の膝の上にうつ伏せで寝転がり、剥き出しのおしりにゴムホースで思いっきり30~50回叩かれます。

『30~50回』というのは、その時の『罪の重さ』や母の気分で回数が決められていたように思います。

自分でパンツを下げておしりをさらけ出すのは相当な覚悟が必要です。

おしりは数日はみみず腫れがくっきり残ります。

懲らしめの恐怖は今でも忘れられません。

私は大人になった今でもオレンジ色のガスホースは触れないどころか見るのも虫より怖くて、
よく家にあるガスコンロの裏側が本当に怖くてどうしても見ることはできません。

あとはペコちゃんが舌を出して笑っている絵も怖いと感じます。

『おしりは体の中で肉が多い場所だから、他の箇所より痛みが少ない』というのがおしりに鞭打つ理由だと聞きましたが、
大人の力でゴムホースで思いっきり打たれたら体のどこでも痛いものは痛いし、痛くて嫌で暴れると全力で振りかざしたゴムホースが間違って足や顔に当たってみみず腫れが残る時もあったし、
そんなことを笑顔で言う親の立場の兄弟姉妹は阿呆じゃないか、じゃああんたたちが打たれて痛さを経験してみろよとずっと思っていました。

大きくなってから、ある2世の兄弟が
『うちは革ベルトだったけれど、懲らしめを受けたから今こうして立派にエホバの証人としてエホバに喜ばれる生き方ができている、懲らしめを受けてよかったと思っている。』
と奉仕中に道のど真ん中でドヤ顔で話しているのを見て、この人は本物のマゾだ…とすごくドン引いたこともありました。

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