見出し画像

どちらでもなくなって

宇宙の上にまた宇宙があった

終わりを迎えて始まる

始まりが見えて終わっていた

宇宙の間に、また宇宙が現れる

変わりゆく世界の中を歩くと

変わることのない胡座が世界を支えていた

重なる宇宙が見えた時

同時に心の中で息をしている

私たちが繋がっている瞬間だけが

永遠に止まっているかのように

全てを包み込む

現れるはずのないものが心を貫通していった

私は誰でもないまま存在している

私を連れ出してこの宇宙に入り込む

誰の中にもある、あの水のように流れていく

この宇宙から見えず、あの宇宙から見えるはずはなかった

私たちは呼び合い

死んで、何処にも戻らないことにした

どちらのままでもいられなかった

私たちの心はどちらでもないことを選んで

私たちの記憶はどちらでもあったことを覚えていた

私たちの記憶を繋ぐものが現れ

私たちは時を止め

永遠の水に溶けた

記憶を繋ぐものたちは

また「思い出す」為に

ここから離れていった

いいなと思ったら応援しよう!