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空を流れる

目覚めると、天井にオーロラが流れていた。

オーロラは生き物のように動いて、星座の輪郭をつくる。

見たことのない星座だった。

でも、どうやら星が動いたのではなく、わたしが移動していたらしい。

知らない街を歩くように、暗闇を歩きながら、空を流れる川を見ている。

よく見ていた三つの星が、すでに目印にはならなかった。

どの星も、並んでいない。

天井の窓が開いて、三角形がくっつき合って形を変えた。

一体どこに流れていくのか。

天井では歪んだ四角形がこちらをみている。

オーロラはわたしを取りまいて、身体は湯気のように軽くなる。

鏡に映るわたしの顔は、オーロラのように動いていた。

心の中の感動が、顔いっぱいに広がるみたいに。

この世界を生きることを望んでいた。

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