法律系の資格の勉強のため、六法の条文をコツコツと読み込んでいる。
そのなかで、特に憲法をじっくり読んでいくうちに、憲法に体温を感じるようになってきた。
憲法についてもっと知りたいと思い、日本を代表する憲法学者の樋口陽一さんのこちらの本を読んでみることにした。
内容が難しすぎて理解できなかったらどうしようかと思っていたが、裏表紙に記されているとおり、講義形式でわかりやすい表現、優しい語り口で書かれているので、支障なく読み進めることができた。
樋口さんは本書の中でこう書いてくれている。
樋口さんは、1934年に生まれた方で、今月90歳になられた。
戦時中に子供だった世代の樋口さんが、「躊躇なく」憲法十三条の書き出しの一文、「すべて国民は個人として尊重される」を挙げていることに、とても大事なことを示してくれていると感じ、なんだか心の奥にぽっと明かりが灯されたような気持ちになった。
新聞のインタビューでも、同じく十三条が憲法の肝心なところとおっしゃっていて、さらにこのようにコメントされていた。
日本国憲法が1947年に施行されてから、今年で77年。
現実の世界では、戦争や紛争が起きていて、日本という国の中でもいろいろな課題や問題があり、かけがえのない個人が尊重されていると、胸を張って言えないかもしれない。
それでも、わたしは、思い煩う必要がないことで頭をいっぱいにしたくないし、できるだけ憂うことがないように生きて行きたいし、本当の最期には「いろいろあったけど、生きてて良かった!」って思っていなくなりたいと考えている。
本書を読んで、より深く思考することにより、自分の世界の見え方が変わったと感じていて、そこに少しの希望を見いだせたと思う。
本書の中に「言葉の重み」と記されている。
上っ面の「言葉」に惑わされないように、「言葉の重み」を意識しながら、自分も自分のまわりの人も尊重することができるように生きていきたい。