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心配性ライターの細かすぎるロンドン生活⑦~夏休み旅行inスコットランド ハイランドツアー編
イギリスに来て最初の夏休みは、4泊5日のスコットランド旅行へ。
スコットランドはハタチの頃に友達とバスツアーに参加して、圧倒的むき出しの自然に感動して「絶対いつかまた来る!」と誓った場所。
今回のロンドン帯同でも必ずや行くんだと胸の奥で炎を燃やしておりました。
思いのほか早く叶ったぞ♪(こういうのは実際に手配する人の意見が通りやすい)
旅程はエディンバラ→ハイランドツアー→エディンバラ
さあどこに行こうかと計画を立てるうえで最初にあがったのがエディンバラ。
8月はスコットランドの首都、エディンバラが最も盛り上がる時期なのだそう。
というのも、軍楽団による大演奏イベント「ミリタリー・タトゥー」や大道芸や演奏などを街中で披露する「フリンジ」など、あらゆるイベントが8月のエディンバラで行われる、インターナショナルフェスティバルが開催されるから!
前回のスコットランドツアーではグラスゴーは行ったけれどエディンバラは回れずじまいだったので、これは行くしかない。
そしてやっぱりエディンバラのさらに北、ハイランド地方は回りたい。
ということで、初日と最終日はエディンバラ、真ん中に2泊3日のハイランドツアーを入れることにしました。
人気なのは、ハリーポッターの映画の撮影にも使われたジャコバイト蒸気機関車に乗れるツアーですが、すでに満席。
代わりに、「スコットランドの良いところをぎゅっと詰め込んだような場所」といわれるスカイ島も回れるツアーにしました。
ハイランド地方とスカイ島をめぐるバスツアーに参加
全部で16人とこぢんまりとしたツアーで、ランチも夜ご飯も別だから、うちの人見知り男子ズが社交的にふるまえなくてもまあ大丈夫かなと。
ということでまずこのツアーから、レポートしていきたいと思います!
エディンバラ城とホリールード宮殿を結ぶ「ロイヤルマイル」と呼ばれる石畳の長い道のちょうど真ん中あたり、セント・ジャイルズ大聖堂のすぐ横にあるカフェが集合場所。集合時間は、朝8時15分。
受付でチェックインしたら、ガイドのキースさんが大型のバンに荷物を載せてツアー客16人がそろったのを確認して出発!
スペイン、イタリア、カナダ、ブラジル、アメリカなど世界中あちこちから参加していて、推定30代~40代前後と参加者は比較的若め(昔参加したツアーはご老人が多かった)。一人旅の方もちらほら。
申し込んだ時から、正直ツアーの詳細はよくわからなくて(地名を見てもイメージがわかない)、何が見どころなのかハイライトが何かもぼんやりしたままの参加でしたが、うん、そりゃ書けないよね!と納得。
なぜなら目に入ってくるものは、とにかくひたすらずーーーっと大自然だから。
大昔の氷河時代に削られたという荒々しくも猛々しい岩山と美しい川や湖、低草が延々と広がって、ところどころで牛や羊やヤギが草を食んでいる。
ちょっと北海道に似てるかも、と思われる広大な広大な草原や岩山が続くばかりなんです。本当に。
ローランドのあたりは森林もたくさんありましたが、ハイランドやスカイ島では北に行くにつれて苔のような下草しか生えていない。
このあたりが森林限界なのでしょうか。
(ちなみにスコットランドは北緯54~61度に位置していて、北緯66度からの北極圏まであと少し。でも海流と偏西風の影響で冬でもそれほど気温は下がらず、マイナス5℃程度なのですって)
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時々フォトスポットとして停まってくれるけれど、この峠や渓谷がいったいどういうものなのか、ガイドさんの独特の節回しの、スコティッシュ訛りの混ざったマシンガントークが5%くらいしか聞き取れなくて、あんまりよくわからない。
でも、とにかくず~~~っと鳥肌立ちっぱなし、写真撮りっぱなし、口は半開き。
説明はあってもなくても、どっちでもいい。
いつもの旅行のワクワク感、高揚感はなく、
むしろ自分がどんどん凪いでいくのを感じました。
大昔、ここで悲劇的な虐殺があったとか、イングランド軍とぶつかって多くの人が殺されたとか、スコットランド内での裏切りで一族が皆殺しにされたとか、カトリック信仰だったためにイングランドから女王の座を奪われて処刑されたとか、エピソードはとにかく悲しいものばかりだけれど、
そういうフィルターでこの景色を見たくはないし、
きっとどんな哀しい出来事があっても、争いがあっても、
時に大いなる自然が牙をむいても、
たぶんここはずっとこうやって、静かに生をつないできたんだろう。
諦めたわけではなく、受け入れたわけでもなく、ただそういうものとして常に在り続けてきたんだろう。
ぼんやりと窓の外を眺めながら、ずっとそんなことを考えていた気がします。
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ハイランドやスカイ島は、北に行けば行くほど、道路以外は人の手が入っていないむき出しの自然で、きっと500年前も1000年前もまったく同じ景色だったんだろう。
時々牛や羊は見かけるけれど、人の住んでいる家もほとんど見当たらない。風の音がびゅうびゅうと聞こえるだけ。でも不思議と「荒野」という感じはしなくて、「ありのまま」、そのままただ在るという感覚。
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この圧倒的な自然を前に、人が住みたいと思う場所って何なんだろうとも考えてしまいました。
交通網が発達する場所から栄えるといいますが、確かにハイランドや島々は大きな道路をつくって人が行き来するのには向いていない地形。
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世界でも有数の海岸線の距離が長い地域なのだそうです
なにせものすごい急斜面なのに片側通行の道がめちゃくちゃ多い!
なのにめちゃくちゃ飛ばす!
(スピードの遅い車は軽くあおられます)
すれ違いスポットにはいつも数台車が停まっていて、あうんの呼吸でどっちがどこまで進んですれ違うか決めている様子。
ひゃー、ここで運転するのは絶対無理!と思いました。
地道かつ山道なのに体感80キロでぶっ飛ばすキース。運転が上手いからいいけれど、よく事故が起こらないものだ・・・と思っていたら、車の事故は結構多いそうです。ハイランドでの運転はご注意ください。
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何があれば満たされるかではなく、
何がなくても満たされるのか
もちろんこのツアーでは、ネッシーで有名なネス湖でのクルーズや、イングランド軍が戦ってジャコバイトが敗戦したカロデン・ムーアの古戦場、約5000年前の古代の遺跡(古墳みたいに積み上げられていた)、
スカイ島の「王の港」ポートリーのカラフルなお店や、写真映えするアイリーン・ドナン城、ピーターパンの原作のモデルとなった川べりの妖精の住む小さな家、ハリーポッターの撮影スポット(ハグリットの森とか)など、もちろん見どころはたくさんありましたが、
私がとにかくこの旅で印象に残ったのは、この言葉になんて到底できない、静謐な大自然。
無意識に「この土地はどのぐらいの経済的価値を生み出しているのか」(坪単価いくら?)みたいな目で見てしまいがちな自分が恥ずかしくなるくらい。
何があれば満たされるか。
これまでどうしてもそんな風に考えてしまっていましたが、
「何がなくても満たされるか」と考えさせられる景色でした。
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ハイランドグルメは魚も肉も絶品!
とはいえ!やっぱり美味しいものは食べたい!ということで、
夜ごはんはホテルで解散!だったので、自分たちでGoogleマップの評価とメニューを頼りにレストランを探して入ったのですが、これがどちらも正解でした。
スコットランドはハドックやコッドといった白身魚やサーモン、エビやムール貝が豊か。
イングランドのより少し塩味がきいていて、スコッチウイスキーに合うんです!
それに、ステーキでよく見るアンガス牛もスコットランドの牛。
羊は「ハギス」という郷土料理が有名ですが、普通にラムとして調理されるものも多いです。
この旅でスコッチウイスキーの蒸留所は2か所横を通ったので、記念にそのうちの一つ、「ベン・ネビス」を自分用に購入。
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スカイ島のスコッチウイスキー「タリスカー」はちょっとスモーキーで私には強いと感じてしまったので、飲んで美味しかった「ボウモア」と迷ったけれどベンネビスにしました。
「タリスカー」と、アイラ島の「ボウモア」、エディンバラ城オリジナルウイスキーは小さな瓶のものを買って味くらべができるように。
1年ぐらいかけてじっくり楽しむつもりです。
なにせお酒を飲むのは大好きなのに、ビール350mlで二日寝込んでしまうくらいお酒に弱い体質の私が、唯一まともに飲めて次の日に影響が出にくいのが、スコッチウィスキー。
これでやっと、晩酌ができます!
ちなみに、トイレ休憩で寄った街で売られていたハイランドアイスクリームにも、ネス湖クルーズの船の中で買ったハイランドホットチョコレートにもしたこまウイスキーが入ってました。
体をあたためるため? それともこれがスコットランドの流儀なの?
どうりで運転手兼ガイドのキースさんは、やたらと勧めてくるわりに口にしなかったわけだ。。
私はこれだけでも、しっかりほろ酔いに(笑)
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ハイランド&スカイ島ツアーは、体も心も満たされた、美しい時間でした。
あまりに圧倒されて「言葉にならない」と言いながらつい饒舌に語ってしまったので(どっちやねん)、初日と最終日のエディンバラ滞在記は次の記事でご紹介します。
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