『大穢』ネタバレなしの雑感
ADELTAさんの新作、大穢をようやくプレイし終えました。プレイ時間はおおよそ20時間程度で終わりました。
以降はネタバレなしの雑感になります。
テキスト
ADELTA作品は橋姫だけプレイしているので橋姫との比較になりますが、こちらの方があっさりとしてテキストになっており、全体的に長文にならないように工夫されていたのかなと感じました。個人的には地の文・モノローグ多めなテキストが好きなので、あまり満足はできませんでした。
登場人物
後編で攻略できるキャラクター含め魅力を感じました。殺人事件の発生からのそれぞれの言動や犯行動機などに各人の特徴や気質がよく表れており、今回攻略できなかったキャラクターたちに対してより関心を持つことができました。
舞台設定
閉鎖環境の中で起きる殺人事件という舞台は王道ではありつつも、登場人物それぞれが持つ目的のために殺人・協力・裏切りを各々が選択して紡がれていくシナリオは面白いと思います。
シナリオ
殺人事件の推理、閉鎖環境に取り残された焦燥感や近くに犯人がいるかもしれない恐怖、疑心暗鬼から軋轢が生じていく過程は端的に描かれていたと思います。ただ、それらがシナリオの大部分を占めており、恋愛描写というのは殆どありません。3人攻略キャラがいますが、1人を除いて、2つのルートでは心が通い合うシーンがエピローグに無理に入れ込まれており、エピローグで突然結ばれるので主人公がどのタイミングでどういう理由で好きになったのか理解できませんでした。各攻略キャラに対して最低限の説明はされているためどのような流れに持っていきたいのを理解できますが、十二分に納得できる程深堀りされてはいないように思いました。
深堀がされていないので、プレイヤー自身が攻略キャラに対してある一定の興味や好感を持っていないと主人公と攻略キャラの関係性に没入できないと思います。プレイヤー自身が脳内で二人の関係性について補足しなければいけないと感じる箇所が多く、その補足の部分は本来シナリオで補われるべきだと思います。
まとめ
正直シナリオゲーだと思っていたので期待し過ぎたなという印象です。キャラやカップリング萌えをメインで楽しむ人にはおすすめしますが、シナリオに重点を置くならあくまで前編のみで言えばそこまで期待しない方がいいです。後編は期待してます。