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「おかえり」そう伝えられる本を目指して
仕事で少し傷ついたことがあったとき、
もうとてもアラサーとはいえなくなってきた35歳の私は実家に帰ります。
母には一言「今日、つらいことがあったから、今日だけは甘えさせてもらってもいい?」と、涙をこらえつつ、お尋ねします。
この距離感が、今の私と母なりに答えをだした、ふたりの暮らしと距離感です。
玄関を開けると母いつもどんなときも
「おかえり!」と言ってくれます。
そして次の瞬間にはそう言ってもらえる存在がひとりでもいてくれることも非常に尊いとも思うのです。
束の間のひとり京都旅へ
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ほんの少しつらいことがあって、どうしても精神的にきつくて、日帰りで京都へ行きました。
京都は、いつも本当につらくなったとき、体調の良し悪しがあっても安心して行ける数少ないひとり旅先でもあります。
前日は涙が止まらずに、気づけば、Googleさんに京都の天気を訪ねていました。
答えは「晴れ」。
もう次の瞬間には新幹線の予約をとっている自分がいて、そんな自分に「よっぽどつらいんだね」と、どこか心の中で語りかけているわたしがいました。
京都駅に到着し、まっすぐ向かったのは「平安神宮」でした。
わたしは数年前、この場所でご祈祷を受けました。そのときの本殿の中の空気が青色だったことを今でも覚えています。
今でも思うのは、あのとき、私は交換条件などは神様に押し付けたつもりはなかったけれど、まるで、ひとりで神様に見守られて結婚式をしているかのような、厳かで神聖な空気の中、ご祈祷を受けた場所でもあるのです。
平安神宮をあとにし、向かったのはお隣の蔦屋書店さん。銀座や二子玉川とはまた違い、京都らしさを意識して厳選された商品が陳列されていて、東京ではなかなか見ない雑貨や書籍との出会いが待っている場所です。
なぜか、ここに来るとアイデアの泉に触れるような感覚になり、こういう商品もつくってみたい、ああいう商品もSelf0で販売してみたいと、私にとってはいろいろとアイデアが降りてくる場所なのです。
蔦屋書店に併設されたスタバでは、しばし、ひとり会議の時間。
どうしたら一緒に働いている人に自分の気持ちが伝わるのだろう、どうやったら、経営者としてダメな部分を改善できるのだろう、わざわざ新幹線で東京から京都に移動してきたはずなのに、ひとり会議の議題はビジネスで、そんな自分に気づいたとき、なんだか、ふふと笑ってしまったわたしがいました。
岡崎エリアを歩いていると、ふと感じたことがありました。
この場所で吹く風は、
いつもわたしに「おかえりなさい」と、ささやいてくれます。
実際にその声が聴こえるわけではないけれど、平安神宮で手と手を合わせて祈ったのは、仕事で関わってくださっている方々のご健康と、そして事業繁栄、神恩感謝でした。祈ると、いつもわたしの周りを風が吹きます。
祈りが届くと、透明度の高い、涼しい風が自分自身を包みます。
そのときに京都に行くのは、わたしも「ただいま」と言いたくなるし、その土地も「おかえりなさい」とハグしてくれる感覚があるからだと思いました。
「おかえりなさい」と、この本はあなたにそっと伝えます
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ひとり暮らしをしていると、帰宅した瞬間に物静かな家の空気を感じて、なんか無性に寂しくなったり、だけど、誰もいないはずなのに「ただいま」と言いたくなるときがありませんか?
1月26日発売の『書くだけで、心がととのう ひとり会議ワークブック』も一番伝えたいメッセージは「ひとりじゃないよ」ですが、同じくらい伝えたい言葉があるとしたら「おかえりなさい」です。
「おかえり」と、ぜひ、言葉に出してみてください。
目の前にたとえ人がいなくても、不思議とあたたかくなるものです。
「おかえり」と言ってくれるのは、ヒトだけとは限りません。わたしはモノにも「声」があると、そう信じています。
少なくとも私は、この本に命を、人生をかけました。
それは私だけではなく今回の3冊目を出版するにあたって、支えてくれた方々の時間(命)も吹き込まれています。
占い師さんのように「エネルギーを込めました!」なんていう特殊な能力は私にはないけれど、どこか違う世界へといってしまいそうな衝動に駆られたとき、今回の本が踏みとどめてくれる、振りほどこうとするあなたの腕を引っ張ってハグをするような存在であってほしいと思うのです。
あなたが少し元気になって、この本が本棚にいる時間が長くなっても、あなたがそれだけ元気で過ごせているなら、それがこの本の、あなたに対して想う心からのしあわせなのです。
でも、時を経て、どうしてもつらくなって、涙が止まらなくなったときは、勇気を振り絞ってこの本をゆっくりめくってみてください。
少し前に書いたあなたの言葉が「よくがんばったね」「泣きながらもがんばっているのをちゃんと見ているよ」と語りかけてくれます。
そうやってこの本と読者のみなさまが1回きりの人生の中で、しばらく離れたり、再会したり、まるで人と人が向き合うような関係性のようになれたらと願い、そして、どんなときもこの本が一番の味方でいてくれるように、私は3冊目の『書くだけで、心がととのう ひとり会議ワークブック』をお届けします。
仕事でつらいことがあった。
もう生きていけないかもしれないと冗談なんかじゃなくて本気で思った。
涙が止まらず、自分の目の前にはぐしゃぐしゃのティッシュペーパーの山。
ティッシュで拭いきれず、塩水のような味が口のそばを流れていく。
明日は打ち合わせがあるのに、目はパンパン。
二重がおもた~い一重になって、そんな顔を自分の鏡で確認する。
でもよく泣いた自分のパンパンの顔がふふってほんの少しでも愛おしく思えるなら、きっとまだあと少しだけ人生を頑張れる証拠。
そんなとき、この本が絶対にあなたを守ります。お守りノートです。
あなたが本を開いた瞬間「おかえりなさい」と語りかけます。
そうまるで、どんなときもダメダメな自分の味方でいてくれるお母さんのように。「おかえりなさい」と、伝えたくて、この本をお届けします。
1月26日発売開始です、よろしくお願いします
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書くことは、生きること
Self0
山口 恵理香