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「心の弱さ」は経営には不向き?本には向いている?
「作家の方が向いているんじゃないですか?」
唐突に言われた何気ない一言をわたしは、しばらくの間、頭の中で反芻していました。
大きな窓から見える天高い青空を眺めて、目の前を走っていく電車を見ながら、なんでわたしは、まっすぐ生きてこれなかったのだろうと思いながら。
心の弱さは、経営には不向き。
そんなことは会社を立ち上げてから、自分が一番よくわかっていました。
わたしは、ただ、ふと見えた少し先の未来を信じて、こうしたい、ああしたいと言っても、それは他人からしてみたら、ただの「わがまま」に過ぎない。
自分なりの確信もった直感があって、その通りに動くことが、人を振り回してしまうことになりかねないことも、全部わかりながら走ってきました。
さて、心の弱さは、経営には不向きなのでしょうか?
答えは「NO」。
「NO」を証明するために、この瞬間も立ち続けています。
私は、その常識を覆すために、ずっと社会と闘いながら、ひとつひとつの壁に挑んできました。
学歴がなくても企業に勤めた経験がなくても、会社は立ち上げられる、夢だって叶えられるんだと。
でも、そんなわたしでも、さすがに疲れてしまうときはたくさんあって、ときどき羽を休ませながら、もういい年齢なのに子どものように大泣きしながら、走ってきました。
3冊目が教えてくれる人生で大切なこと
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3冊目『書くだけで、心がととのう ひとり会議ワークブック』は、おかげさまで3刷を突破し、1.5万部まで到達しました。
この本は、わたしに人生で大切なことを教えてくれる気がしています。
1冊目を目指しはじめたのは25歳のときから。
つまり3冊目で今回の結果がでるまでに、少なからず10年の月日が必要としました。
その10年をまずは、あなたが認めてあげてと、最近は毎日のように、いつもどんなときも、この本に語られている気がするのです。
たくさん失ったこと、失ったときの感情を誰かと共有することはできなくても、その経験があったから、この本が生まれているのだと語りかけてきます。
同じ経験をしていても、理解し合えない人はたくさんいる。それぞれの哀しみは、あくまでも色が違っていて、最初は理解し合えても、少しずつどこかでズレてくることがある。
私は決して文章が上手とか、才能があったとかでは全然なくて、ただ、覚悟だけは、ずっとあって、TWICEさんのFeel Specialの歌詞の通り、世界がまるで敵だらけで、何度も心臓を突き刺すような出来事が訪れても、単純明快で諦めなかっただけなのです。ただ、それだけなんです。
それは決して本だけではなく、Self0に対しても、山口恵理香という人をブランド化するまでの間も、同じ想いで一貫して、走ってきただけかもしれません。
冒頭の「作家の方が向いているんじゃないですか?」と言われたとき、その人には、曖昧な答え方をしてしまったけれど、あえて言うなら、どちらも向いていないといえば向いていないのかもしれないし、
ただ、私は自分の頭に浮かんできた未来を信じてきて走ってきただけだから、答えは起業も出版も、たとえ他の人から向いていないように見えたとしても、実際にお仕事をしている時間が自由でのびのび自分らしくいられるから、自分としては向いているし、魂に紐づいた「使命」だと思っています。
もはや、どれだけ逃れようとも逃れられない、新幹線はの新幹線のレールしか走れない、山手線は山手線のレールしか本来は走れないように使命以上の重たいといえば重たい「宿命」を感じながら、この人生を歩んでいます。
心が弱いわたししか、実現できない起業の在り方をこれからも探し続けて
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心が弱いわたししか実現できない起業の在り方をずっと考えています。
たとえば、いずれ人が増えたときに、通常のオフィスの形ではなく、ひとりひとりのパーソナルスペースを確保したうえで、その人が、気が滅入らないように、ちょっとメンタルがつらくなったとき横になれるように、オフィス環境を最大限整えたいとか、
きっと自分の会社は「マス」のような会社ではなく、私ならではの会社の着地の仕方になるとか、たくさん、たくさん考えながら走っています。
「擬人化」や「属人性」という言葉があるけれど、自分が10年かけて築き上げてきたものは、その逆でひとりの人間をブランド化してきた分、ほんとうの自分の守り方を同時に考えてこなければいけなかったことも今ようやくここに来て感じています。
人を信じすぎるのではなく、自分がブランドである分、その人との関係性がほんとうに人と人として向き合えているのかどうかも、そうではなかった場合、自分をどのように守るのかも、これからは慎重に考えなければいけないと、またひとつ学んでいます。
心が弱いと、たくさん傷ついて、まるで人生そのものが損のように感じる。
自分のやさしさや頭の悪さがあるから、頭のいい人に振り回されちゃうのかもしれない。
学歴や企業勤めがなかったから、不利なことがたくさんある。
スキルやリソースすべて得るのに10年かかっても、まだまだなのかもしれない。
10年ずっと、さまざまなことを経験して、絶えずどんなときも私が感じてきたことです。
でも、こういうすべての常識や価値観、世界をひっくり返すために、私は生きることを選び続けていて、そんな私だからお届けできる本が今回の3冊目でもあります。
心やさしい人が、
笑顔でいられる時間を1秒でも増やすために。
生きづらさを感じている人が、
もうちょっと頑張ってみようと思える
きっかけという名の種を社会に蒔き続けるために。
心の弱さは、
体を震わせながら
背負わなければいけない
重たい十字架なんかじゃなくて、
あなたが生まれもった
神様からの贈り物なんですと
大きな声で、伝え続けるために
わたしは、
今回の本とブランドの可能性を心から信じて、
信じるだけではなく、
もう無理だと思うような出来事が起きても、
生きることを選んで、
証明し続けたいと思います。
たとえ、わたしが
大きな宇宙から見たときに、
ちいさい、ちいさい存在だったとしても、
自分の席が空いたら、
誰かがすぐに座るような世界の仕組みだとわかっていても。
3冊目『書くだけで、心がととのう ひとり会議ワークブック』とSelf0、そして山口恵理香をこれからも、どうぞよろしくお願いいたします。
書くことは、生きること。
Self0 山口 恵理香