米大統領選、予想と違う展開?
蓋をあけると共和党は強かった。
バイデンが圧勝すると思っていたのになぜか大接戦。嫌われ者のトランプの惨敗、共和党の敗北はどうなった??と思ってはいないだろうか。
日本のメディアは切り取った報道が多く、「トランプは嫌われ者で自分勝手」という極端な印象づけがされていると感じる。もちろん彼を嫌う人も大勢いるのは事実だが、民主党は共和党を嫌う(もしくはこの反対)のは世の常である。
結果は最後まで分からない。なぜ大接戦になっているのか、アメリカに永住権保持者の移民として10年以上住んでいる私の視点をまとめてお伝えしようと思う。
まずは、両者のスローガンはこうである。
●トランプ(共和党)「Make America Great Again(米国を再び偉大に!)」
●バイデン(民主党)「Build Back Again! (より良き再建を)」
バイデンが自分のスローガンを真似たとトランプが怒ったのだが、確かに真似っこである。
次に「共和党と民主党の違い」をざっくりまとめると下記のようになる。トランプは暴走しているように見えるが、共和党の基本理念に沿って(一応)行動していることを知るためにも、ぜひじっくり読んでみて欲しい。
共和党(トランプ)
基本は「小さな政府」(必要以上に政府は関与せず、個人に任せる考え方)
政治的立場は保守的(伝統や習慣、制度などを尊重)
歴代大統領:リンカーン、アイゼンハワー、ニクソン、レーガン、ブッシュ
共和党は1854年に「奴隷制度も廃止を訴えていた勢力が集まった人々で構成」された。共和党の初代大統領は、(奴隷解放の父)エイブラハム・リンカーンである。
当時の支持基盤は、白人プロテスタントや起業家、農家、そしてアフリカ系アメリカ人。
現在は、中西部の農業地帯や、南部、白人、敬虔なキリスト教信者など保守的な人々。民主党の支持層だとされていた労働組合の一部も共和党にまわり、より保守的になっている。
市場を重視し、税金は誰に対しても平等であるべきとして増税反対。2018年、トランプの連邦法人税を35%から21%に引き下げるという大胆な政策もこの思想からきている。
敬虔なキリスト教信者の支持があるため、人口中絶に対しては反対、同性婚も反対の傾向。私にも共和党支持者の友人が多くいるが、彼らの共和党を支持する理由に「人工中絶反対だから」を上げる人が多い。
民主党(バイデン)
基本は「大きな政府」(あらゆる問題に政府が取り組む考え方:経済政策や社会福祉政策など)
リベラル(自由主義)
歴代大統領:オバマ、クリントン、カーター、ジョンFケネディー
元々は農民や労働者らに支持されており、関税や奴隷問題への介入などに反対していた。
ユダヤ系やアフリカ系、アジア系、中南米系などのマイノリティー、また女性や比較的新しい企業のトップも民主党を支持する傾向にある。
民主党はリベラル思想(自由主義の思想)が強い。一般的には、支援が必要な人たちに対して、社会福祉や生活保護を考えるのは政府の義務だとする考え方。
人工妊娠中絶の容認、不法移民の受け入れを容認、同性愛容認。これらによってマイノリティーの人々や女性が民主党を支持している。減税反対で、累進課税で大企業や高所得者が税金を多く払うべきだと考えている。
さて、ここからが本題である。
嫌われ者のトランプを支持するのは、白人の富裕層やブルーカラーの人々だけだと思われがちであるが、マイノリティーや黒人の支持者も多いのである。
共和党の基本理念に「市場を重視する」ことがある。トランプは「アメリカファースト」なので、人々を良い方向へ導こうとしている。特にブルーカラーや貧しい黒人たちに手助けをしている。
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