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「当たり前」に隠された潜在的ニーズ:フリーランスでもできる取り組み

「お客様が求めている商品とはどのようなものでしょうか」
 セミナーなどでよく聞かれるこの質問。
しかし、実際には簡単に答えられるものではありません。

現代はモノ余りの時代。お客様の目の前には、すでにあらゆる選択肢が揃っています。つまり、お客様さえもわからないのです。

潜在的なニーズを見つけるという考え方   Steve Jobs の考え
 Steve Jobsが掲げた哲学、「顧客が求めているものを聞くのではなく、顧客がまだ気づいていないニーズを満たす」。
これによりAppleは、顧客の声よりも自社のビジョンと革新を優先し、潜在的なニーズを模索し、新しい製品を世に送り出してきました。

 この考えを実践している日本企業は、果たしてどれほどあるのでしょうか。

注目すべき企業:寺岡精工(TERAOKA)
 一般にはあまり知られていませんが、スーパーのレジで「TERAOKA」という文字を見たことがある方も多いでしょう。

これは、計量器や包装機器で業界をリードする企業「寺岡精工」(以下寺岡精工)であり、寺岡精工は包装機器業界や計量器業界のリーダー的存在であり、実質的に独占市場を形成しています。 


ホームページ「TERAOKA」から引用


 マーケテイングが非常に強いのも寺岡精工の強みです。

この記事に書かれている内容です。
「当たり前だから見過ごされる」スーパーの値引きシール貼りのコストや環境問題を改善する画期的な救世主(池田恵里) - エキスパート - Yahoo!ニュース

 彼らの革新的な取り組みの一つが「値引きシールの手間」を省いた技術についてです。

 夕方、スーパーに訪れると、よくスーパーで見かける値引きシール。

これがけっこう手間でして、小型店舗でも30分から1時間、シールを貼るのにかかります。その上、シールもコスト1枚0.5円から0.8円かかりますので、出来るだけロスを減らそうと値引きしていても、新たなるコストが発生するわけです。

この買い得品、いわゆる値引きのシールが手間がかかります。

 さらにこれまでお客様にとっても、定価だったのが、売り場に戻ると、同じ商品が既に値引きされていると言った問題も生じます。
もう少し、後だったら値引き商品だったのに・・・

そこで寺岡精工では、何時から値引きをするということが一目でわかるようにしたのです。
それがこれ。

 商品をレジに持っていくと、値引きする時間内に行けば、その時間の値引き率がレジ機で連動されているため、完了されると言った仕組み。
これにより、値引きシールを貼らなくても済みようにしたのです。

 これまで、「値引きシールを貼る」作業は、店舗内で働いているスタッフの人々は、「当たり前」と思っていた不便な作業でした。
これを寺岡精工では、テクノロジーで解決する提案をなさったのです。

 これ以外にも寺岡精工の取組は、多義にわたっています。
進化する量り売り 価格が違う商品もまとめて会計できる「減算式」とは(池田恵里) - エキスパート - Yahoo!ニュース

よく店舗内で、お客様がg、商品を一つの容器でカスタマイズできる画期的な機械を開発されたことで、この機械がコンビニ、スーパーでも見かけるようになりました。

TERAOKAグループのSDGsへの取り組み、現場の立場にそったソリューションへ(池田恵里) - エキスパート - Yahoo!ニュース

社会の負の問題点にも取り組んでおられます。

潜在的ニーズの発掘方法
 寺岡精工の成功の背景には、現場を観察し、声を掬い上げるという地道なプロセスがあります。

営業担当者は国内外の小売現場を直接訪れ、問題点を見つけ出しています。
特に海外の小売りを積極的に視察することで、日本市場の課題を再確認し、解決策を導き出しています。

フリーランスとして潜在的ニーズを掘り起こす方法
 潜在ニーズを掘り起こすことは、一人だから、フリーランスだから、コストをあまりかけられないと思われるかもしれません。

しかし、フリーランスや中小規模の事業者にとっても、潜在的ニーズの発掘は可能です。

以下の方法が効果的です。

横軸の視点が潜在的ニーズの発掘を導く
 
潜在的ニーズを掘り起こすためには、「横軸を見る」というアプローチが重要です。異なる業態、国、業種の視点を取り入れることで、従来、見落としていた課題や可能性、つまり潜在的ニーズが浮かび上がります。

これは食の分野に限らず、応用できるのではないでしょうか。

  1. 多店舗展開する企業との連携
    オペレーションが整った企業の手法を他業態に応用することで、新たな視点、潜在ニーズにもつながります。

  2. 異なる食業態から違いを知る
    惣菜業態と外食業態のように、異なる分野を知ることで、視点の違いが問題解決や潜在的ニーズの糸口になります。                                                売り場での経験と外食および中食におけるノウハウの相互活用|池田恵里 ERI IKEDA

  3. 売り場の視点から違いを知る
    寺岡精工の方々とスーパーを視察した際、私は、惣菜売り場に注目していました。しかし、彼らはラベルや機械、天井など、全く異なる部分を観察していました。                              この視点の違いを知ることから、最終、潜在的ニーズの発掘に繋がります。

  4. 異国での視察から違いを知る
    自費で海外の小売を視察することは、視野を広げる絶好の機会です。出来れば団体旅行ではなく、一人で「緊張感」を持って行動することが多くの学び、しいては潜在的ニーズを知ることにもなりえます。            

 スーパーマーケット協会の方に「池田さん、自分の投資と思って、海外の小売りを見て回らなきゃ。年に一度は、アメリカに行かなきゃ」 

 人生は有限です。
どこに自分の時間とエネルギーを投資するかを考え、「横軸を見る」という視点を磨くことで、たとえフリーランスでも「潜在的ニーズ」を発掘できるのではないかと思っております。

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