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2024年9月「安住紳一郎の日曜天国」ゲストコーナー出演の"あとがき"

2024年9月29日のTBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」ゲストコーナーにお招きいただきました。聴いてくださったリスナーの皆さま、安住さん中澤さん、番組関係者の皆さま、ありがとうございました。

放送直後、見事なまでに端的に、当日の話題の要点をまとめてくださった方がいました。構成台本を読んだんですか?というぐらいに正確。

(江口補足)正しくは「タタリ神になってしまった乙事主」でした。


放送後には毎度、自己嫌悪の沼に沈みこみます。首まで沼に浸かったまま、「#nichiten」のハッシュタグのついた投稿を、TBS放送センターの足元でひたすら読む。もはやお決まりのコースになりつつあります。

(今回ようやく、自己嫌悪の正体がわかりました。「もうちょっとましにできたはずなのに、なぜ私はあんなにぼんやりしていたのか」という自責の念なのでした。極度の緊張状態で話してるから、ふだんの6割ぐらいしか頭が回らないんです)

この日もハッシュタグ「#nichiten」を追っていたら、複数のリスナーさんの投稿から、あることに気づき、えっ!と声が出ました。

「自然の鯨骨生物群集は世界で8例しか見つかっておらず、本書監修者の藤原義弘さんは、そのうちの1例に偶然行きあった人です」という私の話に対して、番組アシスタントの中澤有美子さんが、「クジ運が強い」と合いの手を入れていらした、というのです。クジラだけに。

……聴こえてなかった! 当日、私はイヤフォンを付けず、生の声を聴きながら話していたのです。中澤さんと私の間には透明なパーテーションがあるものの、声は十分クリアに聴こえる、と思っていました。しかし、十分じゃなかった。

結果的に稀少な(かつ秀逸な)中澤さんのだじゃれは、安住さんも私も拾わず、スルーされちゃったのでした。ううむ、ほのかに残念。

ゲストコーナーの途中でかかった曲は、大滝詠一の「幸せな結末」でした。まっくらな深海で海流に自分の運命をゆだねるホネクイハナムシ・ベビーたちの、幸せな結末を祈りたい。



さて、日曜天国に初めてお招きいただいてからほぼ10年。自分が大好きな番組において、番組の歴史の半分を、淡く遠い関係ながらも関係者として過ごせたことがちょっと信じられません。11年前の自分に言ってもまず信じないでしょう。ここに連れてきてくれた高崎山のベンツ、ありがとう。

10年も前になるとリスナーさんの記憶もあいまいになるようで、Xでは「ああ、高崎山のボノボの江口さんね」とか、「高崎山のボスザルは、ボルボだと思ってた」という投稿も見られ、吹き出しながらも10年という時の流れを感じました。

ボノボはアフリカの類人猿ですね、たしかにその話でゲスト出演したこともありました。そして高崎山には、ボルボもいたかもしれません。名づけは意外に大変で(数が多いから)、数匹まとめて外車シリーズにしてつけた可能性もあります。まあ私が書いた本は『高崎山のベンツ』ですけどね。

せっかくなので、出演回をまとめておきましょう。ありがたいことに、「江口さんの出演回は全部聴いています!」とお声をかけていただけることも増えてきました。

第1回 2015年1月25日 高崎山のベンツについて

第2回 2016年8月14日 チンアナゴ、ミーアキャット、アマミホシゾラフグについて

第3回 2018年4月1日 自然に学ぶテクノロジーについて

第4回 2019年3月24日 ラブ&ピースなボノボについて

第5回 2023年7月23日 アフリカ見聞録

第6回 2024年9月29日 鯨骨生物群集

番組がこのあともずっと続きますように! そしてまた私も出演させていただく機会がありますように。

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