okaeri

文学、音楽、映画、お酒。 2018年3月、13年間続けてた会社員をやめて、翻訳の仕事を…

okaeri

文学、音楽、映画、お酒。 2018年3月、13年間続けてた会社員をやめて、翻訳の仕事を始めました。

マガジン

  • みたものよんだもの

  • よしなしごと

最近の記事

悪意の手触り

諏訪敦彦監督の映画が密かに好きだったのだが、なんと先日、早稲田松竹で特集上映が組まれた。一挙6作品をどどんとスクリーンで!だから早稲田松竹って好き。 寡作な監督なので、この6作を撮るのに20年ほどかかっている。デビュー作の「2/デュオ」には、若かりし頃の西島秀俊が出ていて、恋人との同棲生活が徐々に破綻していく様が描かれている。 ほぼ同様の主題が扱われるのが「不完全なふたり」であり「M/OTHER」だ。今回見た、このM/OTHERというのがどえらい傑作だった。(ちょっと後半

    • ブラームスはお好き

      ここのところわりと見ている「モーツァルトインザジャングル」。Amazon primeのオリジナル作品のなかでも一番のお気に入り。ニューヨークの名門オーケストラで新たにタクトを振ることになった若き天才指揮者ロドリゴと、オーボエ奏者を目指すヘイリー、彼らを取り巻く個性的な面々が織り成すコメディです。 狭き門にいつまで挑み続けるべきか、自分には夢を叶えるだけの才能があるのか、揺れるヘイリーの気持ちがあまりによくわかるので、なんかこっちまでいちいち一喜一憂してしまう。途方もない夢を

      • 仕事の円周

        フリーランスになってもうすぐ一か月。ありがたいことに、当初考えていたより立ち上がりのスピードは早かったです。もちろんこれは今後の安定とはイコールではないのだけれど。 先週から昨日まで、まだ不馴れなこともあって、全く自分の時間が取れず。何時に仕事をしてもよいのは良いのだけど、睡眠を削る日々が続き、一週間を過ぎた頃ピークに。今日はねむりたいだけ寝たけど、仕事の依頼のメールを受信する夢を見続けてちょっと自分でウケてしまった… まだ始まったばかりとは言え、フリーで仕事をするとはどう

        • 消費されるリアリティ

          「ナイトクローラー」を見た。ジェイク・ギレンホール演じる冴えない男がパパラッチという職に就き、次第にクライアントであるテレビ局のなかで一定のポジションを築き上げていく。「売れる絵」を撮ることに憑かれたように、次第に彼の行動はエスカレートしていき…という映画。 ジェイクはもう当面爽やかな役などやることはないのかな…と思ったが、昨年ニューヨークで見た「Stronger」は比較的爽やか、だったかも(ボストンマラソンでの爆破テロの被害者となった男性という、難しい役どころではある)。

        悪意の手触り

        マガジン

        • みたものよんだもの
          3本
        • よしなしごと
          4本

        記事

          着地

          会社を離れて着地する先は、翻訳という仕事です。これを仕事にしたいということは長い間考えてきたので迷いはなかったのですが、本当ならもう少し、セイフランディングできるように着地先の強度を高めるべきではあったと思います。 とはいえまあ、タイミングというのがあるからね。 ありがたいことに一応は何とかスタートを切れそうなので、まずは軌道に乗せること。そして、目的地のイメージを常に強く持ち続けること。足りないものはたくさんありますが、それを身につけていくことも楽しみです。 言葉を扱う

          辞めるのが下手

          それは昔から自分のコンプレックスですらあった。精神的に貧乏性だから…というのもあるが(せっかく始めた以上モトを取るまでやりたい)、「辞めない」のと「辞める」のとを比べたら、圧倒的に前者の方がリスクがないからだ。一応その分、始めるときにもそれなりに慎重に考える。 だから、よりによって会社を辞めることになるとは思わなかった。いや、思わなくもないというか、もうずっと心の片隅に見えていた選択肢ではあったが、それを手に取ってボタンまで押したいま、妙な感慨すら湧いている。わたしにも辞め

          辞めるのが下手

          会社を辞めて

          せっかくなのでこの真新しい日々を日記という形で 残してみようかと思いました。 フリーランスとしてやっていくときのもろもろのことを書くのか 読んだもの見たもの聞いたものを書くのか、 外に対して自分のことを書くのは少しひさしぶりですが、よろしくどうぞ。

          会社を辞めて