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#11 コーチングと料理の共通点

今週末のゲストのために、秋の食材、栗やキノコ、北海道の大好きな農家さんからの野菜を使って絶賛仕込み中です。

昨日は栗をお湯に浸してゆっくりと鬼皮を剥き渋皮煮の下拵えをしたり、蒸した栗をすくってビーガンマロンアイスクリームを仕込んだり。

人参の皮やセロリの皮をオープンで乾燥、ローストしてパウダーにしたり。

ハーブやスパイスをアーモンドミルクに浸して香りを抽出したり。

全部下拵え、出来上がりのお皿の部品を一つ一つ作っているところです。

その中で味見をして、我ながら自分史上最高に美味しい!なーんて自画自賛しながら感じたことは…

素材が美味しいからこそ、料理が美味しくなり、私たち料理人はそのおいしさを引き出すだけ。

どういう風にその良さを見つけ、どういう風に調理したら、何と組み合わせたら輝くか。

それを感じ、想像しながら組み立てていく。

最初はパーツパーツバラバラであるものが、最終的に一つの料理になった時、思いがけない味わいになることもある。そしてそれを食べる人、一人一人を思い浮かべながら楽しんで手を動かす。

このプロセス、感覚はコーチングに似ている。

料理をしながら、ふとそんな考えが浮かびました。

コーチはクライアントさんの中にあるものを引き出すだけ。食材と向き合うように、目の前のクライアントさんと向き合い、その人の美味しい部分、個性を感じ、どのようになりたいのか、どこに進んでいきたいのか、一緒に見つけていく。

料理でもアクは旨味のうちと言いますが、自分では嫌だと思うところ、短所と感じるものも、個性や旨味だったりするのです。料理人/コーチが出来るのは、それをどう旨味とするかのサポートで、それ以上でもそれ以下でもない…

料理人も経験を積むほどにシンプルなものに帰っていって、色んなテクニックや調味料を使わなくなるようで(もちろん一概には言えないけれど)、コーチングも多くのクライアントさんと向き合えば向き合うほどに、スキルやテクニックではなく、在り方だと気づいていくのだろうな…

と感じています。

今日もまだまだ仕込みは続く

金曜日のキッチンから

10.29.2021


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