【散文詩】シジミ汁の思い出
アサリよりシジミの方が小さい
肝臓にはシジミがいいと聞く
子供のころ
晩御飯で出てくるシジミ汁では
身が大きくついているとラッキー
楽しかった
大人になって会食で
その気分のまま食していた
シジミ汁は飲むだけで身は食べないのが作法と
金持ちが言っていた
それから数十年経ち
親を連れて寿司屋へ行った
その日の汁はシジミだった
親が「身が大きくていいね」と言った
私はこれが我が家の楽しみ方であり作法
これが平民の楽しみ方である
今ならエコとか言って廃棄物を減らす行動もある
親子で歩んできた道は
平民が平坦な道なのに
わざわざ高低差がある道を選んでいたような
シジミ汁の思い出