わたしの描く理由2
可能性を与えること。
私が絵を描くことを中心にした生活を送るとは元々考えていなかった。
ある程度の年齢から、絵に携る仕事をしたいとぼんやりした輪郭で考えてはいたが、絵を生業にするなんて一握りの限られた人間だけだという大人たちによる洗脳が強かった。
それを真に受けた私が考えられる現実的で具体的な職種は美術教諭くらいだった。アーティストなんてまるで現実味のない雲を掴むような職種だ。
それに私は特に突出したところもなく、家庭にも恵まれた、ごく平均的平凡な人間だ。
だから私は皆がそう