うつがひどければ外出なんてできないよね

8月半ばにTwitterがバズりました。


ついでにまとめられていました。

https://togetter.com/li/1138877

賛否両論、たくさんコメントを頂く中、ネガティブなご意見として多かったのが「本当にうつなら旅行どころか外に出る気も起きない」という趣旨のもの。プロフィールを辿ると大体うつ病当事者の方だったので「私は辛くて外出できないんだ。外に出られるあなたはまだマシ」と言い換えても良いのでしょう。

さらにそれに対し、「うつも色々あるんだから出られないと決めつけるな」というコメントも頂戴し、あたたかさに頭が下がる一方で、「本当にうつなら外に出る気も起きない」という気持ちもよく分かるひとりのうつ病患者として、何ともやるせないものを感じました。

私自身、うつ病を発症し、休職して数ヶ月は外に出ることどころかベッドから起き上がるのもやっと、という生活をしていました。お風呂に入るのすらしんどい。1日中ベッドにいるから水分も摂らず常に脱水寸前。抗うつ剤の副作用で吐き気がひどく、何も食べられなかったことも大きかったと思います。

今思えば、うつ病の典型的な症状ではありました。でも、発症している真っ最中に、典型的だとかなんだとか考える余裕なんてないのです。

朝が来る度に社会から置いてけぼりを食らったような気がして、社会参加できない自分に生きている価値なんてないのではないかと思って。

夜が来る度に明日来るであろう朝を想って眠れなくなる。時間が過ぎていくことが、過ぎていく時間の中でベッドから起きることすらままならない自分が憎い。

23歳という煌めく歳をなぜ私は無為に過ごしているのか、どうしてこんな風になってしまったのか、何が、誰が悪かったのか、抜け出せる日がちゃんとやってくるのか、考えれば考えるほど親や周りのせいにしたくなったり、そんな風に思う自分が嫌になったり、考えようとすればするほど自分は無価値な気がしてくる上に、脳の中に靄がかかって考えがまとまらない。

教科書にはうつ病の症状に、「意欲低下」とか「倦怠感」とか書いてあるけれど、実際にその立場になったら、漢字数文字で表現できるような苦しみでは無いのです。

そんな中でぼんやりと眺めているTwitterに「鬱病なのに旅行行ったり、人生楽しんだりしていいのかな?」なんて言えるうつ病患者が現れ、そしてその気持ちを肯定する人が多い様子を見たら、「私はそんな状態じゃないのにどうしてそんな甘ったるいことを言っていられるのだ」と思うのは当然の反応でしょう。

人生に楽しんじゃいけない時間なんて存在しない。けれど、楽しむことなんて到底できない時間も、確かに存在します。

Twitterでたくさんの方にコメントをいただき、うつ病で苦しんでいるのは自分や友人だけではないと生身で感じ、嬉しかったり落ち込んだりしました。

外に出られないくらいに辛い状況の人に「絶対に良くなるから大丈夫」なんて言えません。私自身、今でも全く身体が動かない日もあります。残念ながら、うつ病は右肩上がりの直線を描いて回復する病気ではないから。

それでも、私は自分の病気が良くなると信じたいし、あわよくば同じような経験をしている人が人生を楽しめる日が来れば、と願っています。



ちなみに当該ツイートに対するキング・オブ・クソコメントは「アイコンの顔が知恵遅れ」でした。どうもありがとうございました。

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