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デリバリー・テイクアウトを始めるために許可・準備は必要なのかの話

仕込み時間、営業準備、POP作ったりお金の計算したり。
飲食店って毎日同じ場所にいるけど現場の状況がコロコロ変わる忙しい仕事の一つだと思います。
一人でお店を切り盛りしていたり、ネットに抵抗感があったり、情報探しが苦手な人にもさら~っと読んでいただけたら嬉しいです。

飲食店がデリバリー・テイクアウトを始めるには申請が必要なの?

まずは結論から。
追加で必要な申請はありません。
すでに営業している飲食店であれば、飲食店営業許可と食品衛生責任者は申請済みのはずです。
店舗で調理をしているメニューをデリバリー・テイクアウト販売でするのであれば飲食店営業許可の範囲内となるため、申請自体は必要がありません。

申請自体は必要とされていませんが、気を付けたいポイントが2つ。
1.ハムなどの加工食品をテイクアウトで販売する
2.保健所から許可をもらう必要がある

1.ハムなどの加工食品をテイクアウトで販売する

ハムやソーセージ、アイスクリーム、パンやケーキなどの菓子をテイクアウト・デリバリーで販売する場合、通常の飲食店営業に必要な営業許可書とは違う区分になります。
例えばベーコンやソーセージなどをごはんに混ぜ込んでピラフにするなど、具材として調理に使う場合は問題ないのですが、ハンバーグやテリーヌなどをそのまま販売するのはNGです。

やっぱり曖昧・・・それぞれの食材によって保健所の線引きがあるので必ず保健所に確認してから始めましょう!
下の表は製造する製品ごとに必要な営業許可業種です。

食品製造業

2.保健所から許可をもらう必要がある

上記の内容の補足になりますが、営業許可と食品衛生責任者を持っていればテイクアウト業務は可能。しかし、保健所からすれば店内営業については問題ないと判断したけど、テイクアウト・デリバリーに関してはまだ許可出してない!となっている状態となっているので、あとでなにか問題が起きてからではお店が困ったことになってしまいます。
まずは保健所に内容の相談をしてから始めましょう。

保健所がチェックしたい場所のポイント2つはこちら。
1.食品表示について
2.調理施設について

1.食品表示について

コンビニやスーパーで買う総菜には原材料の内容が書かれたシールが必ず貼ってありますよね。
店内で調理された料理をテイクアウト・デリバリーで販売する場合は対面で説明できると判断されるため、賞味期限や原材料の表記は必要はありません。
ただ、製造・加工した食材を単に仕入れて販売する場合や、セントラルキッチンなどで調理された料理を販売する場合などは、表示が義務付けられています。そして店内で作られた商品を陳列して販売する場合は省略できる部分はありますが、表示が義務つけられている内容もあります。

どのような形で販売するのかは予め保健所に相談しましょう!
以下の画像はお弁当や惣菜を販売する時の表示ルールについてから引用しました。

食品表示

2.調理施設について

店内で調理、盛り付けをしてテイクアウトとして販売する場合は施設の許可はすでに下りている場合がほとんどだと思います。
加工食品を製造して販売する場合や公園などに簡易店舗を出して販売する場合など保健所からの別の許可が必要な場合があります。
まずは保健所の方に電話で相談するのが一番だと思います。

酒類はデリバリーできるの?

みなさんも一度は頼んだことがあるであろうお馴染みのピザデリバリーのように地域を限定して宅配を行っていて、1つの都道府県内でお酒の小売をすることを前提としているデリバリー営業であれば「一般酒類小売業免許」の取得が必要です。

「2都道府県以上」に対してお酒を販売することを前提としている通信販売の酒屋は「通信販売の免許」の取得が必要となります。
しかし、新型コロナウイルス対策として申請をした飲食店には『在庫酒類の持ち帰り用販売等により資金確保を図るものについて、迅速な手続で期限付酒類小売業免許を付与する』ことが発表されました。

【新型コロナウイルス対策下における特例】
詳しい内容や申請方法は国税庁ホームページを確認してください。

気を付けたいポイントはこの免許には“期限”があるということ。そして“迅速な手続き”であるとなっていますが許可がおりるまでは少し時間がかかるだろう、という点です。
申請のために必要な書類もありますので、お考えの方は少し余裕をもって手続きをしてください。

移動販売について

こちらはテイクアウトでもなくデリバリーでもない、キッチンカーや屋台のような形でお客さんと対面販売をすることです。
移動販売に関しても店舗を構える飲食店同様、「食品営業許可」と「食品衛生責任者」が必要です。
食品衛生責任者は、営業許可を受ける施設(車)1つにつき1人必要となります。

食品営業許可について

「食品営業許可」は移動販売に使う自動車に対しての許可となり、各自治体に申請使う自動車に合わせた内容を申請する必要があります。
販売する商品によって自動車の用途が変わってくるので、どんなお店でそんなものを販売するのかが大事なポイントです。

1. 食品営業自動車
たこ焼きやクレープ屋など。自動車内で作って販売する。調理は温めたり盛り付けたりと簡単なことに限られる。

【食品営業自動車の許可が必要な営業許可の種類】
 喫茶店営業
 飲食店営業
 菓子製造業

2. 食品移動自動車
車内で行うのは販売のみで調理は行わないといった自動車。自動車内では調理、盛り付けはできないため、あらかじめ包装されたもののみ販売が可能。

【食品移動自動車の許可が必要な営業許可の種類】
 乳類販売業
 食肉販売業
 魚介類販売業
 食料品等販売業

食品製造業

8ナンバー

移動販売の自動車にとって必須ではないですが、8ナンバーを取得していると車検の場合に厨房機材や作業台などを車内に設置し固定した状態で検査を受けることができたり、車検の期限が長くなるなどのメリットがあります。
ただ、メリットが少ないという声も多いのでこちらは慎重に検討してください。

その他

お祭りの出店などで経験している飲食店も多いかもしれませんが、移動販売車も道路上で営業する場合は道路使用許可、公園で営業する場合は国土交通省の許可など、営業する場所に合わせた許可の申請が必要となります。
どこで販売するのかを先に決めてから、どんな申請が必要なのかを調べる必要があります。

まとめ

今回ご紹介した申請以外にも容器の準備やPOPの制作など始めるまでにも大変なことが多いと思いますが、今の時期だからこそできるデリバリーやテイクアウトが世の中にもっと浸透して、飲食店にとっての新しい顧客作りに繋がるといいな、と思います。

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