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南海太郎朝尊という刀について
南海太郎朝尊という刀剣男士がいる。
刀剣男士は皆男前なのだが、その中でも変わったキャラクターデザインだ。癖毛は中途半端な長さで、眼鏡の中には三白眼があり、和洋折衷の姿をしている。特に目つきは悪く、いかにもうさんくさい。
が、ストーリーではもっとうさんくさい刀である。
状況的に必要だったとはいえ、敵である遡行軍の残骸罠を作っている。ちなみに肥前忠広の反応を見る限り、刀剣男士にとってもこの行為はおかしいらしい。
南海太郎朝尊は、マスに止まって敵を撃破するたびに罠を作ってくれる。ゲームにおける鬼ごっこに手こずっていると次第に文句を言うようになり、ついには自分で罠を作り出したのに公開し始める。
ゲームで「そういうこと」と割りきっていたメタな視点を持ち込んでくる。回復行為として行う手入れについて不思議がったり、周年ボイスで不穏なことを言ったりする。
刀剣乱舞のキャラクターは表現する方法は多様だが基本的に善の存在であることが多い。彼のような物騒で不穏なキャラクターはかなり珍しい。実装されたとき、衝撃だったのを覚えている。
周年ボイスも毎回不穏なことを言っている。もはやお約束なのだろうか。お祝いの日のことを何だと思っているのだろうか。
また、刀剣乱舞は癖のあるキャラクターもなんだかんだ悪い奴じゃないという展開になることが多いのだが、南海太郎朝尊は違う。倫理のなさが更新されている。
アマビエをたも網で捕まえようとしたこともある。イラストレーター、煮たかさんが描いた公式絵のことだ。「くろのすけの本丸視察」という企画で投稿された。一応刀剣乱舞公式アカウントから投稿されているので公式絵でいいだろう。
人間の形をしているとはいえ刀剣男士はお化けや妖怪に近い存在であるだろうに、無害そうな妖怪を捕まえようとは何事だろうか。
彼の活躍を手っ取り早く見るには「刀剣乱舞-花丸-」の映画か、舞台『刀剣乱舞』の維伝がいいと思う。南海太郎朝尊をよろしくお願いいたします。