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『装剣奇賞』の世界―江戸時代の刀装具と根付 なにわ歴博講座



『装剣奇賞』の世界―江戸時代の刀装具と根付 に行ってきた。
レジュメによると講演の内容をインターネットにアップロードしてはいけないみたいなので、内容よりも感想を主体に書こうと思う。

『装剣奇賞』の世界―江戸時代の刀装具と根付に行こうと思ったきっかけ


まず、なぜ刀装の講座に行こうと思ったのかを述べよう。
その理由は、以前香雪美術館で刀装の展示を見て面白かったからである。
刀装は日本刀のおしゃれであり、その造形から当時の流行や美的感覚をうかがうことができる。

今はゲームはお休み中ではあるものの、刀剣乱舞をやっていたので刀関連の講演は目に入るようになった。
この講演の宣伝を見たのは図書館のフライヤー棚だった。図書館にこういう情報を置いてくれるのはありがたい。


『装剣奇賞』の世界―江戸時代の刀装具と根付 とはどういう本なんだ


公演は、ホールと言うより講義室のようなところで行われた。
『装剣奇賞』は大坂の元刀剣商が刀装や根付について紹介した本である。
刀装具は呼び名の通りに日本刀の拵えにおいてそれを装飾する道具だ。また、根付は印籠や薬入れを帯にひっかけるための、今でいうストラップのようなものだ。

本格的に刀装や根付の話に入る前に、『装剣奇賞』という本がどのように出版されたか説明されたのだが、本好きにとって面白い情報だった。
本屋仲間(ここで言う本屋は、本を売るだけではなく本の印刷も含めてやっているので、今でいう出版社に近い)という同業者組合のようなものがあって、本屋たちが共同で売れそうな本を出す。
今とは全く違う出版のシステムや、『装剣奇賞』という本がどのように扱われ社会へ広がっていったのかがわかってよかった。

講演の3分の2ほどは、根付や刀装についての話だった。根付や刀装はそればかり作っていたわけではなく、普段別の工芸をしている人が手がけることも多かったようだ。
学芸員の語る根付や刀装の細かさ、技巧はとても面白かった。淡々と話しているのに、「美しい」と言うときに、言葉に熱を感じるのが素敵だった。

レジュメや参考資料は撮影禁止なので上げられないが、これだけでも読みごたえがある内容だった。365日配布してほしいレベル。
特に刀装の鑑賞のしかたについて書かれたパンフレットはわかりやすかった。初級・中級・上級に分かれていて、自分の能力に応じて鑑賞することができる。
こういう解説って大事だよなあ。

公演終了後のこと


最後に次回の講演の宣伝をされた。有料の講座で運営費を稼ぎたいらしい。
税金で賄えることが理想だとは思うが、お金があるにこしたことはないのでどんどんやってほしい。
私も、可能な範囲でお金を払いたい。

講演前にコーヒーをがぶがぶ飲んでしまったのでトイレを我慢しながら聞くことになってしまった。
大阪歴史博物館は飲食禁止だが、実は2階に自動販売機と、そこで買ったものを飲めるスペースがある。喉が乾いたけれどミュージアムカフェに行くほどでもないときは活用してほしい。

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