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自分のための五千円

あぁ、しんど、って何回こぼしたか、
しんど、いうわりに、食欲だけは
律儀にちゃんとあって
小麦粉控えめに、のなかで
バームクーヘンは別よね、と
むしゃむしゃ食べ
アイスコーヒ、ごくごくしながら
気だるい体を、ゆっさゆっさと
腕回ししたり
頭をくるくる、しながら
週末の疲れを思い出しています。

蒸し暑い気候のせい
ボケがちな舅のせい
親戚対応に疲れたせい
いろいろあるけど
全部、のせい。

でも。
うれしかった事もありました。

しんどかった親戚対応のなかで
少ないけど、なにか
ゆりちゃんの好きなもん食べ、と
いつもは、軽い嫌みを連発するおばさんが
ひっそりと
持たせてくれた小さな白い袋。

私に?と意外すぎて断れませんでした。

お金ないから
少ししか、できへんけどね、と笑う
おばさんの笑顔が
日だまりみたいにあったかくて
心の結び目がちょっと緩み、
つい、素直に受け取ってしまいました。
(ゲンキンねぇ、とも言えるケド)

帰ってから、そぉっと、包みをのぞくと
五千円札が、ちょこんと、
こちらを見上げていました。

大好物のうなぎに、
ステーキ定食だって食べにいける、
自分の好きなもんを
ちゅうちょなく、食べれる金額やなぁと
思いながら。

1万円だったら
気を使ったかもしれない、
五千円は、ちょうどよかった。
(三千円なら、少な、言うたかも笑~)

普段は買いづらい
お高めなマッサージオイルもいいかも
無印ではなく、違うとこの
アロマも使ってみたいなぁ~。

自分のための、5000円。

苗木を買うのもいいかも、
レモンとか、ブルーベリーとか。
優しさにたくさんの実りが
ありますように、とかね。

ちょっと、いらっとさせる
おばさんだったのですが
ゆりちゃんの顔が
見れてよかったよ、とも。

ひとりで、この家を
まわしている気持ちでしたが
支えてもらっていることにも
気付かされました。

いつだって、感謝はあとから。
遅いなぁ。

おにぎり弁当

最後までお読み頂きありがとうございました。