![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83458113/rectangle_large_type_2_6273ed3e8bd2bc725676e585599de5f8.jpeg?width=1200)
純喫茶ごっこ
喫茶店のモーニングを真似て、パンに切り込みを入れトーストを作ってみた。
こんがり焼いて、バターをじんわり染み込ませ
たら、そぉっと口に導き、カリッ、パクっ、サクッと一気に食べるのだ、なんともいえないあたたかな美味しさに包まれて、思わず目をつむってしまう。
と、気を紛らせてみても。
今日も昨日も暑い、うだるような毎日である。
ためいきではなく
息をゆっくり吐こうと思いながらも
容赦なく、ためいきがでる。
ふぅ(また、ためいき)。
息子が亡くなってもうすぐ百日がたつ
区切りだと人は言うけれど
百日たっても
百年すぎても
どれだけ歳月が流れても変わらないと思う。
時間薬なんてあるんだろうか。
シュワシュワシュワワと
はじける緑色の泡に
アイスクリームとさくらんぼのっけて
クリームソーダ作ってあげるような
そんなお母さんだったらよかったのにね、ごめんね、とグルグルグルルと、そんな繰り返しばかりがめぐる。
ひとりで純喫茶ごっこ。
辛いけど、美味しい。
(純喫茶レシピ本より)