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純喫茶ごっこ

喫茶店のモーニングを真似て、パンに切り込みを入れトーストを作ってみた。
こんがり焼いて、バターをじんわり染み込ませ
たら、そぉっと口に導き、カリッ、パクっ、サクッと一気に食べるのだ、なんともいえないあたたかな美味しさに包まれて、思わず目をつむってしまう。

と、気を紛らせてみても。

今日も昨日も暑い、うだるような毎日である。

ためいきではなく
息をゆっくり吐こうと思いながらも
容赦なく、ためいきがでる。

ふぅ(また、ためいき)。

息子が亡くなってもうすぐ百日がたつ
区切りだと人は言うけれど
百日たっても
百年すぎても
どれだけ歳月が流れても変わらないと思う。
時間薬なんてあるんだろうか。

シュワシュワシュワワと
はじける緑色の泡に
アイスクリームとさくらんぼのっけて
クリームソーダ作ってあげるような
そんなお母さんだったらよかったのにね、ごめんね、とグルグルグルルと、そんな繰り返しばかりがめぐる。

ひとりで純喫茶ごっこ。

辛いけど、美味しい。

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(純喫茶レシピ本より)