おじいさんの魔法
前に、チラッと書いていた、かなりのおじいさんが我が家の植木を剪定しにきているという話。
ざっくり、もいちど。
80手前の、植木職人のおじいさん。
仕事がゆっくり。
もう一週間は我が家に通い中。
(年内には終わってほしい)
高齢なので木から落ちないだろうかと、いらぬ心配がでてしまい面倒だなと、正直思ってる話でした。
そのおじいさんは、ゴォーン~と軽トラに乗って、昼過ぎにやってきます。
身支度をのんびりしっかりと整えます。
(30分はかかる、足袋をはくのが大変そう)
そして、準備万端になると、さぁてどの木にしようかなと狙いを定め、脚立をかつぎ、神妙な顔つきでハサミを握り、パチパチ、ザッザッと、軽快な音とともにはじまります。
その時間だけは、私が通りすぎようとも舅が見つめようとも、ただ、ただ一心不乱です。
間を見てお茶の時間に誘うのですが。
これも、お邪魔してはと、ある程度、見計らって声をかけます。
(私も逐一、気にしてられませんしね笑)
舅の話相手にもなってもらったりで仲良く二人お茶することもあります。
(そりゃ時間かかるか)
で、17時には帰り支度をして、我が家の犬としばらく遊んでます。
どうやら動物がお好きなよう。
夕方の散歩は私担当なので、犬も私の顔ばかりみています、その様子を、うれしそうに
「散歩まってるんやな~」と言うのです。
私も、毎日同じ時間には行けないので、今は行けないんだけどな、と内心思いながら、おじいさんと犬が催促しているかのようで、いつもよりきちんと散歩にいくはめになるのです。(めんどくさっ)
で。
ある日、おじいさんに聞いてみました。
「犬、お好きなんですか?」
「犬も猫も飼ってるよ、かわいいよね」
「名前は?」
「犬はラッキーで、猫はハッピー」
私、大爆笑しました。
どんだけポジティブなんだ❗と。
「いい名前ですね~」(心からそう思った)
「はっ、はっ、はっ」(水戸黄門様みたいに)
そのおじいさんが剪定してくれた
こぶしの木。(↓写真)。
今までより何百倍もきれいな剪定にびっくり。
これぞ一糸乱れぬ美しさ、というのではないだろうか、ふ~、大きく深呼吸がしたくなります、おまけに目をつむり瞑想までしたくなる笑。
春に花咲くこぶしなのですが、こんなにも美しくつぼみがそろい空に向かう姿をいまだかつて、見たことがありません。
(何十年も住んでいるのに)
これから寒さ本番なこの時期に、恐れも知らず、高らかに産声をあげるつぼみの存在がある事を知りませんでした。
暖かくなってきたな、そろそろ咲きそう、と3月の終わりくらいに、ようやく気付いていた私なもので。
人知れずぐっと耐える厳しさを過ぎてこその美しさだったんだな。
おじいさんの魔法かしらん。
枯れ木に、つぼみを宿しましょう~
(花咲かじいさんふう)
さすが。
ラッキー、ハッピーと、毎日、何回も口に出してるだけあります。
次の犬は私も。
ハッピーにしよう。
(ごめん今の犬、笑)
いつもありがとうございます。