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原点に立ち戻る

若い頃は、片思いをしていたり、仕事や経験でも、手が届かないものを求め続けていることが多く、その状態をより好んでいました。

ただし、欲しいものが手に入った途端、一瞬でそこには興味をなくしてしまい、また次に手に入らないものを求めている、そんなことを繰り返していたように思います。

成果を出すことにに疲れる一方で、手に入らないものを追い求め続けることをどこか楽しんでいるところもあり、そういう状態や現実をむしろ自分が創り出していたのではないかと思います。

そうしていつも『ない』『ない』と、ない状態にし続けていたのではないかと思います。

ただ、年齢を重ねていろんな経験を積む中で、自分が求めるものを探して満たそうとするのではなく、求められるものに今の全力を尽くせばいいのだ、という感覚に変わってきました。

求めるものを探し続ければきりがありません。

人間の欲には際限がなく、一つ得られたらまた一つと、その時は感謝できていても、次から次へと手に入れたくなるのです。

また、成長の過程で、向上心として欲を出すのは良いかもしれませんが、時にはその強い欲によって身を滅ぼすこともあるかもしれないからです。

ハングリー精神と言えば聞こえがいいですが、満たされない状況や不足感、欠乏感だったともいえると思うのです。

もっといい仕事があるかもしれない、もっといい人がいるかもしれない、もっといい条件がなど、

確かに世の中にはたくさんの選択肢が広がっています。

ですから、努力を重ねれば、次のステップに進みたいと思うのは当たり前です。

しかし、まずは今求められている場所で全力を尽くしていなければ、そのステップも虚しい幻想に過ぎないでしょう。

そして、結果的には『ないない人生』になってしまうのではないでしょうか。

求めるのではなく、求められていることに応える人生に生き方をシフトしていくこと。

それは『ないない人生』から、『あるある人生』に180度生き方を変えていくという事なのです。

求める人生と言うのは、どこかドキドキやハラハラするような刺激的なことも多くあります。

なぜなら、求めていることが、結果的に得られるかどうかわからないからです。
そのため、いつもドラマティックで、それが生きている充実感だったり、自分がしている、という感覚も強く出るでしょう。

その一方で、求められることに応える時、何となく自分を放棄したようで、また誰かの言われるがままのような気にもなり、自分がないような感覚もあると思うのです。

ですから、刺激的というよりかは、あるものをただあると認めるだけという感覚にもなってきます。

それは、心が平穏な日々であるという事もありますが、同時にどこか退屈さも感じてしまう人もいるかもしれません。

実際私はそこに退屈さを感じていたのでしょう。

そうやって、ドラマティックな毎日を演出するためには、現実を『ないない人生』にしなければならなかったのです。

ただそれも体力のある若い頃だけで(笑)
いろんな経験の中で、段々とその生き方をし続けていることに疑問を持ち始めました。

そして、求めるのではなく、求められるところで全力を尽くせばいいのだ、という気持ちになってきました。

もちろん、時には求めてもいいと思います。
しかし、求めても得られないとわかったら、いつもまでも求め続けるのをやめて、今求められていることに応えるようにすればいいのだと思うのです。

もしも、私は誰からも、どこからも求められていないのではないかと思う時があれば、それは大きな勘違いなのです。

なぜなら、私たちはいつも求められているからです。

それは、自分という原点に立ち戻ることを求められているのです。

私たちは原点である自分に立ち戻り、そこに応えることが、生きるという事なのかもしれません。

では、自分の原点に立ち戻るというのはどういう状態でしょうか。

それは、自分の心に嘘をつかないという事でしょう。

例えば、それは今感じたことを否定せずに、気持ちを認めるという事です。

その気持ちを認めたからと言って、誰かに公表したり、行動に表す必要はないのです。
ただ、気持ちを認めて、何をどう感じても否定しないということ。

それが、心に嘘をつかないという事だと思います。

時には、こんなことを気持ちを持ってしまったとか、こんなことを思ってはいけないと思うこともあるでしょう。

しかし、気持ちを抑えて、自分を欺き続けたとしても、幸福感とは程遠く、それこそいつまでたっても自分の人生は生きられないと思うのです。

肯定することが難しいのであれば、まずは否定しないとするだけでも、随分気持ちは楽になります。

というか、それだけでいいのです。

否定しないための材料を探して、その何かを追い求め続けるのではなく、ただ否定をするのをやめるだけでいい。

そのように、今求められていることに応えるよう言われているのかもしれません。

いかがでしょうか。

今日もお読みいただきありがとうございます!






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