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伝える

人間関係で何か気になることがあった時、特にこれ以上は見過ごせないなと、相手からの度が過ぎた言動がある時には、割とはっきり『嫌です』という事があります。

『好きだ』という事は言えても、『嫌だ』という事はなかなか言いにくいことはありませんか。

特に職場においての上下関係では、言えないこともあると思いますから、すべての関係性においてはっきり言えるかどうかは難しいかもしれません。

ただ、友人や家族、パートナーなど、明らかに対等な関係性であれば、嫌なことをされたときに、『嫌です』という気持ちははっきりと伝えてもいいかもしれません。

はっきり気持ちを伝えたら、相手を怒らせてしまったり、離れていくのではないかと考えることもあるでしょう。

ただ、気持ちを尊重してくれなかったり、大切に扱ってくれない人と一緒にいること、それは私が『嫌だ』という気持ちを無視していることになりますし、我慢し続けることで、結果的に自分の事も尊重できていない、という事になるかもしれません。

私はこのような問題に突き当たった時、圧倒的なコミュニケーション不足を感じます。

話をする、メッセージのやり取りをする。

コミュニケーションが普段から取れている、と考えていても、互いの気持ちを深く尊重し合えているかどうかはわかりません。

表面的なコミュニケーションや、ツールに頼るだけのコミュニケーションであれば、その奥には深い気持ちが隠されていても読み取ることが出来ないからです。

本当の意味でのコミュニケーションが取れている状態とは、嫌なことを嫌だとはっきり言い合える関係性でしょう。

そして、言い合うことによって、もしかしたら時には互いに傷つくこともあるかもしれないけれど、そういうことを恐れない関係性である、ということも言えるのではないでしょうか。

そもそも、自分の気持ちですらわからない時があるのに、周囲の人が何をどのように深く考えているのかなどわかるはずはないのです。

100人いたら100通りの考え方があるのですから、心理的な傾向はあったとしても、その枠に含まれていなければ、周囲の人の気持ちも考えも、知る由もありません。

ですから、相手の気持ちを予想したり、こんな風に思っているのではないかと想像したり、自分に置き換えて考えてみるものの、結局は自分の固定観念やエゴのフィルター越しに見ているだけに過ぎなくなる。

空気を読んで相手の気持ちを察する、もしくは察してほしい、と考えることもあるかもしれませんが、そこにはどこか相手に対して甘えや、依存する気持ちも含まれている場合もあるでしょう。

わかったつもりになっているとか、わかりたいという気持ちはあっても、本当の意味でわかるという事はまた別物なのです。

ですから、互いに本音や本心からの気持ちを言い合うことでしか理解することが出来ないのではないでしょうか。

時には気持ちをはっきりいう事を避けて、傷つかないように、そして向き合うことから逃げることもあるでしょう。

しかし、それはどこかで自分を守りに入ってしまっている、という時もあるかもしれません。

常にぶつかり合いをしたほうが良いという事ではなく、自身を尊重されず、相手の度を越した要求や、明らかに不当な扱いを受けた時、そこに対してきちんとNOという気持ちを伝えることは、決して悪いことではないと私は思うのです。

もしかしたら、そこにはNOと言わない日本の文化とか、習慣もあるかもしれません。

特に相手を思いやる気持ちが強い人は、これを言うことで相手を否定しているような気持になったり、相手の気持ちまで汲んでしまい、言いにくくなる人もいるのではないでしょうか。

もしかしたら、コミュニケーションをとるという事は、私たちが考えている以上に難しく、技術が必要なのかもしれません。

ただ、一つだけ言えることは、周囲の人の気持ちは想像でしかなくても、自分の好き嫌いぐらいはわかるはずです。

その好き嫌いを尊重できない人が、他の人の気持ちまで尊重するという事はやはり難しいので、まずは自分の気持ちに正直になる。

そして、何が好きで何が嫌いなのか、また嫌なことをされたら私はどう思うのか、という事を先にみていく必要があるような気がします。

自分の気持ちに正直に、そして素直になることで、気持ちを尊重したい思いが強くなるとき、人は初めて自分の軸で生きられるようになる。

その結果、離れていく人がいればもうそこを追う必要はなく、気持ちに正直に生きている姿を大切に思ってくれている人がいたら、その人を全力で大切にすればいい。

出来ることはそれだけだと思います。

圧倒的にコミュニケーション不足と書きましたが、それを解消するためには、まずは自分から心を開かないといけないでしょう。

そこには、私は自分の素直な気持ちを受け入れています、そして、あなたの今の気持ちはいかがですか、というお互いを思いやる気持ちも必要になってくるからです。

ですから、自分の気持ちを尊重し、それを相手にきちんと伝えることは、同時にあなたの気持ちも尊重しています、という裏側のメッセージでもあるのです。

コミュニケーションの方法はたくさんありますから、言葉に頼るだけではなく、表情や行動、ボディランゲージなどで表現することもあるでしょう。

そのすべてを使って、私が今どの様に考えているかを表現してみるのもいいのではないでしょうか。

心を開き、何が好きで何が嫌いかを出すことで、それを尊重してくれる人がきっと集まってくると思うのです。

いかがでしょうか。

今日もお読みいただきありがとうございます!





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