解説:新たな資金調達方法「事業価値証券化」について
こんにちわ、エクおです^0^
夏も折り返しですね~
夏の終わりはいつなのか?
敬愛する反町隆史さんが
「夏の終わりは自分で決める」と言ってましたので、まだ夏は続くと思っていますw
さて、先日取り上げたスパイバーさん、
・累計資金調達金額 1,200億円以上
・時価総額1,450億円
・売上2億円
日本を代表するユニコーンの1つでありますが
話題になったのがこちら
新スキームで250億円の資金調達
https://initial.inc/articles/briefing15
※上記参照しながら解説
まず、事業価値証券化とは何か。事業価値証券化とは、企業が保有する資産を証券の形に変えて資金調達を行う「証券化」の一種で、事業が生み出すキャッシュフローや有形・無形資産を裏付けにしているものだ。
Spiberの場合は、研究開発設備、タイ国の量産プラント等の有形資産、
知的財産等の無形資産を担保にした将来のキャッシュ・フローを裏付けとして調達を行っている。
特に、Spiberの技術力を示す特許などの知財価値を最大限生かして設計されたファイナンスだ。
Spiberが鶴岡市やタイに保有する工場などの有形資産だけでなく、
Spiberの技術力や特許や意匠・商標等の知的財産などの無形資産を含めて、
一体的に事業価値を評価し、その価値を裏付けとして金融機関が証券化したものである。
<事業価値証券化のメリット>
・デットである
・一般的な資金調達に比べて株式の希薄化は無い
・通常のデットファイナンスよりも大型の調達ができること
<デメリット>
投資家と結んだ証券化の条項が事業運営の制約となるリスク
これはケースバイケースということなのだろう
今回の調達スキームは証券化商品の一種であり、
投資家はクレジット投資家が中心だ。
クレジット投資家は、企業の信用リスクを取ってリターンを狙う投資家で、機関投資家や事業会社が含まれる。
具体的には社債などが挙げられる。
会社にとっては社債も株式も資金調達の方法だが
・会社にとって社債は借入金 つまり デット
・株式は出資金
社債は借入金なので会社には返済義務がある。
社債の所有者は、満期になれば会社から元本の返済を受ける権利と、設定された利息を定期的に受け取る権利がある。
(発行体が投資家から資金提供を受ける代わりに満期までに利子を支払い、満期には元本を返済する有価証券にあたる)
スパイバーの今回の事業価値証券化については
今回開示があるのは三菱UFJ銀行のみであるが、実際には複数の投資家が存在するだろう。
<なぜスパイバーは事業価値証券化を実行したのか?>
クレジット投資家側のメリットは、利息を定期的にもらえるため投資資金が回収できることだ。
特にSpiberは未上場企業のため、これからエクイティ投資を行う場合、IPOもしくはM&Aが発生しない限り資金の回収は難しい。
一方で創業間もないスタートアップでは信用度が低いため
この手のクレジット投資では、資金が集まりづらいだろう。
倒産リスクがあるからだ。
スパイバーの場合、有形資産・無形資産(知的財産など)を持ち
そして日本有数のスタートアップにあたるため信用度が高い。
その意味で広く多くの人から調達するというのは相性が良かったのだろう。
そういう意味ではスタートアップ企業も
シリーズA以降でこの事業価値証券化というのは
流行ってきても良いのかもしれない。
ということでお祭り行ってきます笑
参照
https://aivas.jp/20210115_2563.html