![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/149336840/rectangle_large_type_2_89c2b062a52fe95988595832d2e7c51b.jpeg?width=1200)
詩「理解」
あなたは相変わらず人たらしだ
「あなたの葬儀に哀愁は似合わない」
なんて話題は胸に留め
義務感にも似た涙を、耳を赤らめながら流す
あなたの傍で1年をフラフラと眺めている日々は
さほど悪くなかったと思う
ただ私には、結局最後まで分からなかった
なんで私はあなたを見続けることができたのだろう
あなたのそばで理屈を必死に組み合わせていたけど
そこで出来るのはいつも、子供の紙粘土で作る野球ボールのようなものだった
球体に見えても、ふと裏側を見るとひび割れていそうで
何か完璧になれない
見続けているものが、可燃性の木塊に変わった今
別れの3秒前までに何かを分かろう
別れの2秒前で全てを理解しよう
別れの1秒前で全てを受け入れよう
そしてそして、別れの刹那で、、
「もういいよ」
雪色に揺れる軟らかな幻影が消えた頃
私は、明日を信じ続けていた何者でもないあなたを
理解することをやめた
それは多分
別れの5時間前のこと。