テクノ新譜試聴メモ:2021-09
9月の新譜チェックです。
I Am Bam - Believe [Kneaded Pains]
好調I Am Bamの新譜。ロウ&ダークな質感のなかで、抑揚のない声ネタとコード感のあるシンセスタブの応答がかっこいい。相変わらずヘヴィーな低音の質量と、キレのよいハネたグルーヴが特徴的。
Ocktawian - Error System [Sinxergy]
久々のOcktawianの新曲待ってた! ギラギラした覚醒系サウンドによる前のめりなシーケンスと、ものすごい音圧でガンガン押してくるモダン・ヒプノティック系ハードミニマル。ベルリン発Sinxergyレーベルの1番。
Lewis Fautzi - Stimulated Desorption [PoleGroup]
Faut SectionのLewis Fautziによる、スペインダークテクノ一派PoleGroupからのEP。展開も小気味よいバキバキの暗黒ハードミニマル。ジャケもかっこいい。
CRAVO - Innervision [SK_Eleven]
Setaoc MassのSK11から、今年のKlockworksからのリリースも記憶に新しい期待の新星CRAVO。142bpmで叩きつける暗くて速い今風のグルーヴだ。背景に飛び交う不穏なノイズもいい。少し前まではなかった新鮮な世界観を持っていると思うし、過剰に派手すぎないこういうブリッジ的なトラックはもっと増えてほしい(というか作りたい)。
Amotik - Pachpan [Amotik]
ベルリンのAmotikセルフレーベルの12番A面トラック。抑制の効いた太いアナログ感のあるブリーピーなウワモノの反復が内省的な世界にぐいぐい引きずり込んでくれる。ストロボとスモークしかない真っ暗なフロアで内臓震えるくらい超デカい音で聴きたい。
Tiefton - Saiph (Romain Richard Remix) [ANAØH]
モダン・ロウ系の新人の掘り起こしにも精力的なメキシコのANAØHから、バルセロナのRomain Richardによる手堅いリミックスワーク。質感丸出しのラフな909サウンドに上下するパッド、ピコピコしたウワモノを重ねた使いやすいトラック。
Markus Suckut - Teufelsberg [Odd Even]
わたしがMarkus Suckutに期待する陰鬱でダビーで、しかしテクノ的なレイト・ナイト感とでも言うべきスモーキーなグルーヴが全部詰まっている。めちゃくちゃかっこいい。
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Spotifyプレイリストも更新しておきました。
興味のあるかたはプレイリストを追加してみてね。
「テクノ新譜試聴メモ」は、R-9が習慣的に行っている新譜チェックのなかから、気になったトラックについて個人的な覚え書きを残しておくものです。原則としてBeatport上で当月内にEPないしアルバムとして新規にリリースされたものが対象。通常は楽曲単位での紹介、まれにEPやアルバム単位で紹介することもあります。