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そのプレゼンターは車いす(No.208)

11月、夫に誘われて上智大学
で開催された国際シンポジウム
に参加してきました。

「インドの取り組みから考える
障がい者の支援と自立」
というテーマで、障害者の職業訓練に
マジックを取り入れたインドの
取り組みが紹介されました。

後半は関係者数人の講演も
ありましたが、ある社長のプレゼン
は素晴らしいものでした。

株式会社ミライロの社長、
垣内俊哉さんは生まれつきの障害があり、
車いす生活ですが、
その経験からユニバーサルデザイン
の会社を起業。

現在は企業などにユニバーサルマナー
の研修を行っているそうです。

短い時間でしたが、「つかみ」と「締め」
が秀逸でした。

冒頭は、
「いやあ、すばらしかったですねえ」
と直前に全員が見たマジックを賞賛。

賞賛と感想から、「改めまして」
と自己紹介が続きます。

次に、事業内容や上智大学生との
エピソードを紹介されたので、
その場にいた人は引き寄せられた
ことでしょう。

スライドも、文字はほとんどなく
ピクトグラムを使ったとても
シンプルなものでした。

話し言葉も舞台俳優のように
ゆっくり噛みしめるような
ずっしりした声です。

右から3人目が垣内氏

そして、私が着目したのは
最終スライドです。

「最終スライドはずっと投影
されるから聞き手が行動
できるような情報を入れておくこと」
と常に唱えている私ですが、
こちらも場面転換の間じゅう
映っていました。

社名だけでなく、QRコードも
出ていますし、SNSのアイコンも
載せてあります。

多くの人がスマホで読み込んで
彼のサイトやSNSにアクセス
したことでしょう。

ここまできちんと最終スライドを
戦略的に作り込んでいる方は
初めて見ました。

大学教員の夫も私も、一般の方
より数多くのプレゼンを見て
きているはずですが、二人揃って
「今まで見てきた中で一番うまい」
と感激して帰路につきました。

ミライロ

垣内さんは障害者かもしれませんが、
“車いすなのにプレゼンがうまい“
わけでも、
“車いすだからプレゼンがうまい”
わけでもありません。

突出したプレゼンスキルを持った
方がたまたま車いすを使っている
だけです。
言わば、個性。

ただ、熱い思いや創意工夫の
プレゼンで多くのコンペを
勝ち抜き、事業を軌道に乗せて
こられたのです。

プレゼンテーションとは
願いや目標が実現できる
活動だと改めて実感しました。

垣内さんの名前で検索すると
動画もたくさん見つかりますので、
ぜひ何かを学んでみてください。

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